田立 圭一さん [マーケッター]
お仕事も多忙な中、ほとんどすべてのヒアリングに参加し、支援先NPOの活動に実際参加するなど、マーケッターとしての役割を存分に発揮された田立さん。プロボノワーカーを経験して、どんな収穫があったのか、改めてお話を伺いました。
仕事とは逆の視点で伝え方を考える
もともと学生時代から、NGOやNPOの方と一緒に活動する機会があり、興味を持っていたので、プロボノの活動にはとても入りやすかったです。今の仕事では、企業のCSRレポート等の企業広報物を作るために、取材をしたり分析をしたりする編集業務なので、「どんなターゲットに、どのように伝えていくか」を考えるところは、仕事でもプロボノでも共通していて、違和感なくすんなりできたような気がします。
プロジェクト中は、NPO関係者にお話を聞くヒアリングがすごく面白かったので、できる限りヒアリングには参加するようにしました。ボーイスカウトの団長さんや、大手コンビニエンスストアのCSR部門の方にヒアリングをしていく中で、「立場が変わると見る視点が違う」という、なんとなく分かっていたつもりのことが、改めて勉強になりました。特にCSR担当者といえば、自分の仕事で日々向き合っている立場の方ですが、当初は仕事とプロボノにこのような接点があるとは、まったく予想していませんでした。仕事では、企業側の視点から「CSRの取り組みを世の中にどう伝えるか」を追求している一方で、プロボノでは逆に「NPOが企業の人たちを振り向かせるためにどう伝えるか」を考える。そこは面白かったですし、やりがいがありました。仕事とプロボノの接点や、人との新しい出会いなど、プロジェクトへの参加を通じて、いろいろな「つながり」に気がつきました。
タイムマネジメントとチームの協力がカギ
マーケッターを引き受けるときは、自分にできるかどうか不安もありましたが、もう一人のマーケッターと一緒に、事前ヒアリングシートを作ったり、ヒアリング内容を話し合ってまとめたりしながら、全体を引っ張っていくイメージを持っていました。
一つ懸念していたのは、ちょうどヒアリングの時期は仕事が忙しくて、平日の夜、外に出ていくのもなかなか難しい程だったことです。時間のマネジメントはあんまり得意ではなくて…。しかし、このプロジェクトに関わることになってからは、プロボノにかける時間を確保するために、努力してタイムマネジメントをするようになりました。会社では、夜の時間をブロックして打ち合わせを入れないようにしつつ、次の日の朝は早めに出勤する、という風に調整していました。
また、チームとしてプロジェクトに取り組めたことも、すごくよかったです。ヒアリングには、マーケッター以外の役割の方にも積極的に参加いただきましたし、メーリングリストでの普段のコミュニケーションもレスポンスが活発で、情報を共有しながら進められたので、チーム内のコミュニケーションには困りませんでした。
まずは「やりたい!」という気持ちから
「スキル登録」のとき、僕はコピーライターとマーケッターで登録をしたんですが、必ずしもそのポジション名通りの実務経験があるわけではなかったんです。でも、チームで進めていく中で、チームの仲間が補ってくれるという安心感がありました。だから、これからプロボノをやろうと思っていて、「自分にはあてはまるポジションがない」と感じている方でも、自分の興味のある役割をしっかりとやってみるという意思表示をして、声がかかったら「やります!」って手を挙げる。そうすることで、プロボノの経験が自分の勉強の場になって、仕事にも生かされると思うので、思いきってチャレンジしてほしいですね。
【参加プロジェクト】
NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム
(ウェブサイト制作/2009.07-2010.07)
ウェブサイト・サービスグラント
役割:マーケッター
その他のプロボノワーカーの声