池原 亜矢子さん [プロジェクトマネジャー]
“大人のための社会科見学”
という表現がとても分かりやすいと思いました
個人的にも社会に貢献する活動をやりたかったし、
仕事一辺倒にならない、という意味でも、
仕事以外の所属があるというのはよかった。
“大人のための社会科見学”という表現がとても分かりやすいと思いました
きっかけは日経新聞でサービスグラントが取り上げられている小さなコラムをたまたま読んで面白そうだなと思ったんです。仕事もいったん転職して落ち着いたころで、何かボランティアとかもしたいなぁとちょうど思っていた時期だったんですね。
新卒で入った商社を辞めて一旦大学院に行っていた時は、様々なバックグランドの人との出会いがたくさんありましたが、会社に勤め始めるとアウトプットが多くなってインプットが少なくなってくると感じていました。ちょうど新しいことを始めてみたい、社会に貢献できるだけではなく、多様な人との出会いとか、色々なものを吸収できるものがないかなぁと思っていたときに新聞をみてこれだ!と思って。
もっと身近に、例えば老人ホームにいってお手伝いします、というようなボランティアでもよかったのですが、何か自分も成長させてくれる、例えば人脈を広げるとか、新しいものを吸収するというものにも繋がればベストかなと思っていて、その部分でサービスグラントの仕組みが面白いなと。自分のスキルを活かせるし、他の方々と仕事というかプロジェクトをやることでその方々からも吸収できるだろうし、結果的にNPOの話とかも聞けたりして自分の勉強になって、“大人のための社会科見学”という表現がとても分かりやすいと思いました。
こういう機会がなければ知ることもなかった分野
登録は第一希望がマーケッターで、第二希望も何かいれなきゃいけないというときに他には何もできないのでプロジェクトマネジャーと入れたら、プロジェクトマネジャーのオファーが来たんですね。。。(笑)
走り出してみるまでは自分の役割に多少戸惑いがありましたけど、みんなが進めやすいように進行したり、NPOの方々との窓口となることが仕事かな、と思ってやってみました。
クライアントのNPOのマドレボニータさんは、やりたいことがはっきりしていて、仰っていることが明確だし、目指すビジョンとか、クリエイティブについてのイメージも明確だったのでやりやすかったです。「ひよこのような挿絵は出したくない」「かわいい感じはいやです。」「私たちはママである前に自立した女性です。」といったメッセージも明快でとても分かりやすかった。
団体が何を目指していて、何をコミュニケーションしたいかという意図がはっきりしていたので、その目的を達成するためにどのようなパンフレットが必要かを考えるのは、とてもスムーズに進んだと思います。
チーム内に関していえば、やる気も高い方々ばっかりでしたし、デザイナーの吉岡さんが経験豊富な方だったので、チームは機動的に動いていたと思います。
プロジェクトが終わってみると、一つ完成したものがあって、それを実際に使っていただいていて、1、2年後に刷り直して、引き続き役立っているということをサービスグラントラウンジを通して聞けて、このプロジェクトの成果が見えて、素直に嬉しかったです。
その他の感想でいうと、どこにグラントをするかというNPOのセレクションがしっかりしていて、きちんと選ばれているんだなという印象がありました。サービスグラントは、ただ社会人が集まって各自でやって、というのではなく、違うバックグラウンドの方々でも進めやすいように、サービスグラントとしてのプロジェクトの進め方はこういう風にしましょう、というレイアウトがあるので、その仕組み、システムは無駄な軋轢を生まず、みんながプロジェクトを遂行しやすいように工夫されていて、いいんじゃないかなと思います。
難しかったところでいうと、最初のマーケティング。
私たちが担当したプロジェクトは、聞き取りの対象の多くがお母さんだったので、昼間しか聞き取りができず、会社勤めにとっては、調整がなかなか困難でした。たまたまチームのマーケッターの方々が平日もフレキシブルに時間を作っていただけたので、お任せする格好になりました。また、プロジェクトマネジャーとして気をつけたことは、チームなので仕事をきっちりと振り分けることによって、作業の漏れを防いだり、逆に一人に集中しすぎないようにしてその辺りのバランスには気を遣った覚えはありますね。マーケティング・フェーズの調べものとか、競合分析は、私や他のデザイナーが手伝ったりという感じで。
サービスグラントを通して善意を持って活動されている、というか社会をよくしたいと考えてらっしゃる方々とお知り合いになれたというのはよかったですね。マドレボニータさんの話を聞いて産後の分野についても全く知らなかったのですがとっても勉強になったし、こういう機会がなければ知ることもなかったと思います。このプロジェクト以降、妊娠した友達にはこういう活動をしている団体があるよって草の根で紹介しています。
サービスグラントは企業人してもメリットがあるので、いいスキームだと思います
様々なボランティア活動はありますが、なかなか社会人だと一人で参加しよう!というのはハードルが高いのですが、サービスグラントは企業人してもメリットがあるので、いいスキームだと思います。ただ、違うバックグラウンドの方が集まって来ているので、その辺はうまく尊重しあうこと、本質的には善意で集まっているわけなので、自分のやり方を押し通さず、一番心地よいところで進めるという気配りが「オトナ!」のプロジェクトだと思います。
個人的にも社会に貢献できる活動をやりたかったし、仕事一辺倒にならない、という意味でも仕事以外の所属があるというのはよかった。後は、サービスグラントラウンジでの報告会やブログとか、プログラムオフィサーとしてこんな団体がある、というお話を聞くだけでもとっても勉強になります。
サービスグラントは、楽しいだけじゃなく、かといって仕事ほど堅くなくその中間かな。
ずっと!というとなかなか踏み出せないけど、プロジェクトは基本的に6ヵ月という期間が決められているので、プランニングもしやすいし参加のバリアが低い気がしました。
家でもなく、仕事でもなく、純粋な友達でもない別な場所。
そして、同じような感度を持っている人たちの集まりというところがいいですね。
【参加プロジェクト】
NPO法人 マドレボニータ (パンフレット制作/07.04-07.10)
印刷物サービスグラント
役割: プロジェクトマネジャー
外資系企業勤務 広報
その他のプロボノワーカーの声