斉藤和毅さん [マーケッター]

今回は人事部向け研修プログラムの営業資料プロジェクトにマーケッターとしてご参加された斉藤さんのご紹介です。
斉藤さんの本業は企業の人事部。通常は研修プログラムなどの提案をまさに“受ける側”。
逆の立場でご参加されたことでどのようにスキルが生かされたのか、また立場を知っているからこその苦労を語っていただきました。

プロボノは利害関係なし。かつ期間限定だから、仕事でありがちな先を見据えた遠慮も不要!

―サービスグラントに参加されたきっかけを教えてください。
以前テレビでプロボノについて紹介されているのを拝見し、自分も社会人人生20年を迎えようとしている中、社会貢献をやってみたいという気持ちが芽生えていました。その後東日本大震災を経験し、ボランティアやNPOがクローズアップされたことも参加への後押しとなりました。会社帰りに出来、かつ自分の身の丈に合った活動が可能なのも魅力でしたし、参加しやすいと思いました。

―実際に活動に参加されていかがでしたか?
まず率直に“すごい良かった”という感想です。メンバーに恵まれ、一緒にディスカッションをしながら何かを0から創り上げていく工程が楽しかったですね。またアカウントディレクターの松下さんのコントロール力が素晴らしかった!時にメンバーを泳がせたり、締めるところは締めてくれたり。さらに、プロボノの活動は利害関係がなく終わりが見えるという点も仕事と異なり、先々を見据えて遠慮する必要もありませんでしたので、思ったことをどんどん発言することが出来ました。もちろん、メンバー間の信頼関係がベースとしてあったからですけどね。また役割分担もはっきりしていて、分かりやすかったですね。

NPOに対して、実は最初好意的ではありませんでした。

―NPO法人に対する見方はプロジェクトを通じて変わりましたか?
 参加前は、実はそれほど好意的ではありませんでした(苦笑)。NPOが熱い想いを持っていることは理解できますが、それだけで世の中が変わるのか疑問でした。NPOとの顔合わせ(キックオフMTG)も、どちらかというとネガティブな姿勢で臨みました。

―そんな斉藤さんが、プロジェクトを通じてどう変わりましたか?
話を聞き進めていくうちに、NPOの本業がどれだけ多忙なのか、また見えない苦労があることが分かってきました。また支援団体さん(NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム(以下ACF))の主軸の活動にごみ拾いがあるのですが、最初は何故ここまで執着されているのか、正直疑問に感じていました。ところが実際に経験したら、ごみ拾いにのめりこんでいた(笑)。その価値と大切さを体感しました。何事もやってみないと分かりませんね。

営業資料で悩ましいのは、NPOにとって譲れない“魂”と自立とのバランス。

―プロジェクトで一番難しいと感じたポイントはどこでしたか?
 一番難しかったのは、元々無料で行っているごみ拾い活動を“人事研修プログラム”としてお金を得るために、どのように魅力を伝えていくかでした。ACFはメディアで紹介されるなど、その分野では知名度のある団体さんだったので、良くも悪くも活動が知られていました。あまり売り物として全面に出してしまうと、今までの良さやACFらしさが崩れてしまう“危うさ”も感じました。これは他のNPOにも当てはまると思いますが、自立を優先して稼ぐことに特化し過ぎると、積み重ねてきた実績やイメージに傷がつくことがあります。ここは譲れないという“魂”はしっかり持ち続けることが大事だと思います。

―また、人事部という通常提案を受ける立場の斉藤さんが、今回敢えて営業資料プロジェクトにご参加された訳ですが、いかがでしたか?
 数々の営業を受けて、企業で通りやすい・通りにくいポイントを把握しているのは強みだったと思います。さらに提案される立場を知っているからこそ、提案が通る資料にしなければいけないという強い使命がありました。ACFも営業資料を既にお持ちでしたが、正直自分が営業を受けても厳しいことしか言えないと思いました。そこで、このままでは変われないことを知ってもらうためにも、中間提案では敢えて厳しい態度で接しました。

―斉藤さんはじめメンバーのそのような態度で、NPO側も変わられましたか?
 このままではいけないという危機感、さらに客観的にご自身を見つめ直していただけるようになったと思います。例えば後半のフェーズで具体的な営業方法について相談した際に、自分達だけでなく、外部の営業応援会社との連携を決められた際は、大きな決断をされたと思いました。自分達のことは自分達が一番分かっている、他人に営業など任せられない、といったこだわりを捨てる決断をされることは、活動に強いこだわりを持つNPOにとっては、そう簡単なことではないと思います。

―メンバーのACFへの愛、そしてNPOの意識の変化が実を結び、プロジェクト完了後に早速営業獲得しましたよね!
 ACFからのその報告を受けた時は、本当に嬉しかったですね。

【参加プロジェクト】

NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム
(営業資料サービスグラント)
役割:マーケッター

 

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