桑原倫子さん [グラフィックデザイナー]
デザイン会社にグラフィックデザイナーとして所属し、ロゴ作成やショッピングセンターの企画・デザインなど、マルチな活躍を見せる桑原さん。プロジェクト中も常に落ち着いていて、着実に役割をこなしてくれる安心感がありました。そんな桑原さんにインタビューさせていただきました!
スキル、仕事≠社会貢献というジレンマを、NPOからの感謝の言葉が解消してくれた。
――桑原さんがスキル登録したきっかけを、改めて教えていただけますか?
桑原 メディアで紹介されていたのがきっかけです。テレビで見て、自分のスキルを社会貢献に生かす活動があると知って。まさに目からウロコでしたね。
ちょうどその頃、自分の仕事が世の中の役に立っていることが直接は実感しにくく、心に何かしたいという想いが蓄積していた時だったんです。グラフィックデザインの仕事は『社会への影響』ってわかりづらいんですよね。仕事が社会の役には立っているんだろうけれど、それを実感できる場がないとずっと思っていたので、まさにこれだと思いましたね。その日のうちにスキル登録しました。
――サービスグラントに参加して良かったと思った瞬間は?
桑原 NPO側に想像以上に感謝されたことですね。ボランティア経験自体がサービスグラントでの活動が初めてだったので、これがボランティアの醍醐味なんだと思いました。ビックリしましたし、自分のスキルが世の中の役に立っているんだ!と改めて実感できましたね。
またパンフレットのコンセプトを提案する資料を初めて見たときは、ボランティアなのにここまでやるのか!と驚きましたし勉強になりました。
――日本ケアカウンセリング協会(以下JCCA)さんはケアワーカー(看護師や介護士)の心のケアを社会課題に掲げる団体さんですが、そういった活動に対しプロジェクトに参加する前から関心がありましたか?
桑原 正直、JCCAさんだったからプロジェクトに参加したということは無かったですね。。NPOについての知識も無かったですし、どちらかといえば、プロボノやサービスグラントの方に興味がありました。でも担当が決まってから、JCCAさんが掲げる「ケアする人をケアする」という理念を理解できるようになって。ケアする相手から受けるストレスの重さや、それを発散する場が無い現状などを知りました。こういったことはプロボノで関わらなければ知ることは無かったです。今まで関心が無かった分野にも目が向くようになり、良いきっかけになりました。
相手がNPOだからといって、特別扱いしない。
――通常のクライアントとNPO団体とで、接し方や対応に違いはありましたか?
桑原 相手がNPOということに対する先入観や不安感はなかったですね。通常のビジネスのやり方や考え方を、プロジェクトでもそのまま活かしていました。NPOだからといって、特別な見方するとか意識することは無かったです。全体的に違和感なく参加出来ましたよ。
――桑原さんは、マーケティングフェーズでも大変協力的で有難かったです。
桑原 当初のヒアリング候補からは好意的な意見しか集まらなかったので、客観的な意見を聞きたいということで、JCCAに関わった事が無い人へのアンケートを実施することになったんですよね。たまたま医大生の友人がいたので、JCCAの活動や講座についてどう思うかアンケートを実施し、協力させてもらいました。
――振り返ってみて、プロジェクトやチームにおける課題はありましたか?
桑原 作業自体は非常にスムーズで、課題はほとんど無かったですね。メール中心の連絡でしたが上手くコミュニケーションも取れていましたし、効率も良かったです。強いて言えば、知らない人が集まるのでちょっと遠慮があったかな・・。最後の打ち上げが楽しかった分、もっと早くからコミュニケーションをとっておけば良かったなと思いました。
――本業とプロボノをうまく両立させるコツ、そしてプロボノの魅力を教えてください。
桑原 やはり平日はなかなか参加が難しいので、そのことをチームメンバー間で事前にコミュニケーションをとって伝えれば問題ないと思いますよ。実際の作業も役割分担がしっかりしていますし、いつもの仕事通りの作業をすればいいので、スキルをそのまま生かしてもらえば問題ないと思います。
プロボノの魅力は、異業種の方と作業できることが一番良い点だと思いますね。人脈も広がりますし、社会貢献に関心が高い同じ志がある人で集まることが出来ますし。仕事だとコミュニティが限られるので、また違った喜びが得られますね。デザイナーとして参加することのメリットは、ポートフォリオがひとつ増えますし、実績も残せるところですね。友人にも、サービスグラントを勧めています。
【参加プロジェクト】
NPO法人日本ケアカウンセリング協会
(パンフレット制作/2011.5-2011.11)
印刷物サービスグラント
役割: グラフィックデザイナー
その他のプロボノワーカーの声