渡邉 文隆さん [プロジェクトマネジャー]

入社3年目でプロジェクトマネジャー(PM)を経験した、渡邉文隆さんは、プロボノプロジェクトの経験を振り返って「ドリームチームと一緒に仕事をした」と表現します。ご自身も、本業に加えて、平日夜は社会人大学院に通い、家族との時間も大切にしながら、時間をうまくコントロールしてプロジェクトに臨みました。その経験はいまの仕事にも直結しており、スキルアップ・キャリアアップのための貴重な経験になったと話しています。

大学院での学びをプロボノでも生かす

サービスグラントに参加したのは、今の会社に入って3年目の秋です。ベンチャー企業だったので、「ベンチャーなら若い頃から色々やらせてもらえる」というイメージで入りました。ところが実際は、まわりに若くて優秀な人がどっさりいて、同じことをやっていると、周りの先輩を超えることが絶対できないと感じていました。「面白い仕事をしたかったら、これじゃダメだ」と思い、能力をつけなければ…と思っていたところにお話をいただいたので、参加を決めました。

そのころから、平日の夜は社会人大学院に通っていたので、かなり忙しくしていました。しかし、せっかく大学院で学んだことをアウトプットする場が足りませんでした。新しいことを覚えるのですが、それをビジネスの場でしか生かせないことには、物足りなさがありました。自分は学生の頃からNPOの活動をしていて、NPOの方々にはお世話になっていたのに…と思っていたことも、参加を後押ししましたね。

経験を生かすドリームチーム

やってみてよかったのは、普段は絶対に一緒に仕事をすることができない、他の会社で働いている意欲とスキルが高い方々と一緒に仕事ができたことでした。腕に覚えのある人が集まってできた「ドリームチーム」ですね。それは1回目の打合せですぐにわかりました。「なんてスムーズに進むんだ」と。ドリームチームの中で仕事をしていると、普段の社内での仕事は、無意識のうちに甘えがあったんだなあ、ということを痛感しました。会議の資料もあまり準備していかなかったり、レスポンスもついつい遅くなったり…。

それから、会社で後輩と一緒に仕事をするときは、「自分ができるから」と、つい自分でやってしまって、マネジメントを覚えられないことがあると思います。ところがサービスグラントの場合は、コーディングなどは自分がやろうとしてもスキル的に不可能だし、ヒアリングを全部自分でやることも、時間的な制約から無理です。だから必然的に、自分の手が届かないことや足りないところは、経験がある人にうまくカバーしてもらうスキルが身につく状況になっているし、仲間で仕事を分担していくことで、なんとか自分の時間を創り出すこともできました。

かつ、よかったなと思うのは、「進行ガイド」の存在です。セーフティネットの役割もある進行ガイドがなかったら、僕は引き受けていなかったと思います。フレームワークがあって、さらに自分よりも経験のある人が周りにいたことが、スキルアップになった理由だと思います。

「時間」と「期待」をうまくコントロールする

家族ができたり、大学院に通い続けたりしている中で、サービスグラントに参加していたので、時間にはとてもシビアになりました。NPOの方々にも締切りを守ってもらうように、僕からかなり厳しくお願いをして、スケジュールが延びないように気を使いました。

それから、NPOの方々からの期待値を上げすぎないように気をつけていました。初回の打合せ(キックオフ)のときに、「これはできますが、これはできません」というのを慎重に確認しました。それが、プロジェクトが上手くいったことの一番大きい要因かもしれません。

プロジェクトの終盤では、広告の出ないブログの選定や、今回は取り入れませんでしたがPaypalで寄付を受けられる仕組みの検討など、インフラ整備の部分で、最後までドキドキしましたね。そこは難しかったですが、ITベンチャー勤務でWebサービスに詳しいメンバーの力も借りながら、乗り越えることができました。

サービスグラントでの経験で、キャリアも育っていく

企業にとっても、プロボノは特に、若手社員を育てる方法として有効なのではないでしょうか。部署異動や組織改編、ジョブローテーションなどをしなくても、新しい仕事を経験させて、従業員の能力を高めることができる。研修効果があると同時に、社会貢献にも見えますし、実際にそうですから。

サービスグラントの経験は、今の自分の仕事に直結しています。もともと、自分の会社のマーケティング施策を考えて実施する立場だったのですが、今年に入ってから子会社に移籍して、顧客のマーケティング施策を考える仕事に変わりました。そこではWebサイトを制作するプロジェクトもあるのですが、サービスグラントで一通り経験しているフレームワークを、仕事のプロジェクトでもそのまま生かすことができています。おかげで今年は、Webマーケティングの仕事をたくさんやりました。ですから、「キャリアを育てる」という意味では、後輩や、私と同じような背景を持っている人には、特におすすめしたい経験です。3年目ぐらいで仕事に慣れてきて、今後マネジメントとかプロデューサーをやりたい人にとっては、いいキャリアパスだと思います。

【参加プロジェクト】

『知ろう!小児医療 守ろう!子ども達』の会
(WEBサイト構築/08.11-09.06) 
WEBサイトサービスグラント
役割: プロジェクトマネジャー

環境コンサルティング会社 勤務

 

その他のプロボノワーカーの声

  • 悩んだときも「お困りごとの解決」を外さなければ、絶対大丈夫。
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  • 有償事業を行っているNPOだったので、参加を決めました。
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