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プロジェクト紹介
兵庫県豊岡市

プロジェクト
ウェブサイト
プログラム
行政協働
エリア
兵庫県
進捗率
完了
団体名
兵庫県豊岡市
SDGs

全国に先駆けたまちづくりの取り組みや、世界的な評価を得ている地域資産を活かし、認知を広げ、地域活性化に結びつけたい― 特別天然記念物「コウノトリ」をシンボルに掲げる兵庫県豊岡市は、そんな目標を持っています。

戦後の環境破壊によって一度日本から姿を消した野生のコウノトリは、市内の農家の無農薬・減農薬で環境負荷を軽減した「コウノトリ育む農法」の導入や、市や関係機関の環境整備への取り組みによって、再び生息できるようになりました。豊岡市では、この実績に根ざして、「コウノトリ育む農法」の普及と流通、環境に配慮した企業の市内誘致、生き物と触れ合う機会をつくる環境教育の推進など、さまざまな部署の連携による包括的な環境経済政策を展開しています。コウノトリをシンボルとした、野生生物との人間の共生、環境と経済の共鳴を目指したまちづくりは、生物多様性条約COP10において、国際的にも高い評価を得ました。
 
ところが、こうした豊岡市の取り組みに関する認知は、生物多様性などの専門家や行政関係者への認知は高くても、一般の都市住民、特に東京をはじめとする首都圏への浸透はまだまだ途上にあります。あわせて、地元の農家や商工業者についても、「コウノトリと環境」の政策を理解し、自らの農業生産や事業活動に取り入れる割合は、徐々に広がりを見せているとはいえ、全体から見ればまだ一部に留まっています。

今回のプロボノプロジェクトでは、豊岡市公式ウェブサイトの『コウノトリと環境』カテゴリーのリニューアルを成果物に設定。コウノトリを象徴とした環境経済政策の全体像や取り組みをわかりやすく魅力的に発信することにより、東京をはじめとする都市住民に豊岡ブランドを浸透させること、また、地域の農業者・商工業者にも、コウノトリと環境の政策が経済活性化と連動しているものであることを伝え、より多くの理解者・賛同者を得ることを目標としました。

 

コウノトリ育むお米

 

進捗状況

プロジェクトマネジャー:
寺島さん
マーケッター:
武田さん 大谷さん
ウェブデザイナー:
田中さん
コピーライター:
田立さん

2011.12.15

つ、ついに・・・・・サービスグラント初の”ふるさとプロボノ”、兵庫県豊岡市チーム入魂のプロボノプロジェクト、お披露目です。

地域行政×都心在住のプロボノメンバー による地域交流型プロボノとして今春にスタートしたチームのミッションは、豊岡市のサイトの中でも環境施策に関する情報をおさめられている「コウノトリと環境」というカテゴリーの完全リニューアル。

環境保護の象徴であるコウノトリを中心に、環境に配慮した市制の取組についていかに分かりやすく伝えられるのか。大型連休を利用して実際に豊岡市を訪問し、合宿形式による怒涛の現地視察、聞取り調査から情報を得てマーケティング、そして、ここでは書ききれないさまざまな議論を経て、今日まさに無事にリニューアル公開の日を迎えました。

カテゴリーのタイトルを「コウノトリと環境」から、コンテンツ全体を語る「コウノトリと育む」というキャッチコピーに変更し、本文も読み手に伝わる表現へ一文字単位で校正、朝と夜とで雰囲気が変わるデザイン、正しくヒットさせるための重要キーワードを意識した設計、コーディングなどなど、メンバーそれぞれの強みを生かした必殺仕事人の貢献で、これからの豊岡市の環境施策に関する情報発信をバックアップしています。

また、見た目がきれいになった、情報整理が進み見やすくなったというだけではなく、各ページをどれくらいの人に見られているのか、どのキーワードで辿りついたのかなどなど、今後サイトの変化を定量的に測りながら運用していくための基盤整備も行いました。

2011.12.15

11月下旬に行われた引継ミーティングでも、チームからは特に強く伝えていたのは
「ウェブサイトが完成したとはいえ、この先、見られなければ意味がありません。アンテナショップなどリアルな場も活用して、ウェブサイトをたくさんの方に訪れてもらう仕掛けもし続けながら、定期的にその効果・変化を見て検証し、次の施策に役立ててください。」とメッセージを送るのはデザイナーの田中さん。

コウノトリと環境のページを訪れた方の豊岡市への理解がこれまで以上に深まり、ファンになってくれること。
プロボノチームとしてもそれを願ってやみません。

2011.12.15

最後の豊岡市での合宿では、打ち合わせの後にプチお疲れ様会が。
名物カニさんを前に嬉々と写真撮影に挑むマーケッターコンビ大谷さん&武田さん。

2011.12.15

真野副市長の音頭で、日本でも先行事例となる地域交流型プロジェクト、お互いに労います。

2011.12.15

この日は朝の3:00まで、豊岡市の窓口としてプロジェクトをご一緒してくださった担当者と話し込む。。。
この春までは全く接点の無かったプロボノワーカーと豊岡市。
このふるさとプロボノを通じて、メンバーは豊岡市のファンになり、今や都内在住のビジネスパーソンの中で、おそらく最も豊岡市の環境施策に強いで賞にノミネートされるまでに理解を深めてきました。一緒に、いや時には担当者をも上回る熱でこれからの情報の届け方を話し合う姿に、見えない”絆”を見、宿泊所となった旅籠の雰囲気も手伝って「あぁ、なんだかいいなぁ」とほっこり、そしてじーんとする事務局でした。

豊岡市のみなさま、プロボノワーカーのみなさま、今回のプロジェクトで聞取り調査にご協力をいただいたみなさまなど関わって下さったすべての方に心から感謝しています。
ありがとうございました そして、お疲れ様でした。

2011.11.28

ふるさとプロボノ豊岡チームの最終合宿翌日、コピーライター田立さん、ウェブデザイナーの田中さんに別れを告げ、プロジェクトマネジャーの寺島さん、マーケッターの大谷さん、武田さんが向かう先は駅前の300人収容のホール。中に入ると、どどんっ!と「マーケティング手法を学ぶ 職員研修会」という大きなサインと、「演題 行政にマーケティングの発想を」そして、お三方の肩書の書かれた垂れ幕がぶら下がっているではありませんか!

そうです、今回のプロボノプロジェクトの醍醐味である行政に不足しがちなマーケティング視点、これを職員のみなさんにお伝えする講師役が今日のお三方の姿です。

・約90%が有意義だったと回答。
・約83%が講師の説明の分かりやすさを評価。

見よ、プロボノワーカーの底力!という感じの数字は当日の参加者の皆さんからのフィードバックです。

「研修内容もさることながら、プレゼンが生き生きとして上手で、ボランティアとして取り組む姿勢に感銘を受けた。これで終わりではなく、引き続き豊岡へ関わってもらいたいと感じた。」

「初めてプロボノという言葉を聞き、自分が関わる公務の分野には関係が薄いかと思っていましたが、民間の意識が行政に生かされる大変良い機会であることがわかり、ありがたいことだと感じました。」

「対象者によって、伝え方を変えていくのは、大変参考になった。講師の方の話を聞きながら、改めてもっと豊岡のことを知っていかないといけないと感じる研修でした。」

「マーケティングにおいて、what(何を)・who(誰に)・how(どのように)がとても重要であり、相手次第で伝える内容が異なることがよくわかりました。今後の業務に生かして生きたいと思います。」

「プロボノと言う言葉を初めて聞きました。豊岡市がホームページのリニューアルにあたって、プロボノを活用したプロジェクトが行われていたこともこの研修で知りました。
 広く市民に広報する場合でも、市場調査を踏まえた結果に基づき、対象者を絞った広報の伝え方が必要であると理解できました。
 今回の講演の内容は納得できるものであり、良い研修であったと思います。What、Who、Howは頭に残りました。」

という感想が語る通り、3人のたすきリレー形式の充実のセミナーは豊岡市職員の方にもインパクト十分だったようです。
セミナー内容は大きく、下記の3つのセクションより構成され、マーケティングの根本的な考え方を繰り返し伝えながら、今回のふるさとプロボノ、そして、豊岡市が発信している実際の情報発信をケーススタディーとして用いながら展開されていきました。

2011.11.28

ふるさとプロボノ 豊岡市プロジェクトのご紹介(寺島さん)

2011.11.28

地域行政とマーケティング手法(武田さん)

2011.11.28

情報発信Tips
コウノトリセレクション プレミアムスイーツ「co co ro」を例に具体的にターゲットが異なると発信内容はどのように変えていくべきか実践例(大谷さん)

2011.11.28

そして、一時間半の講師役を終えた後、お三方の課外活動はまだまだ続く。。。
次はFMスタジオへ。豊岡市とのかかわり、プロジェクトの中でどんなことに気付かれたのか、豊岡のおいしいもの話など、トピックスは色々な方向に広がり、楽しい25分の収録を終えられました。

尚、この日の放送内容は2つの番組で放送される運びとなり、サイマル放送としてインターネットでも聴くことができます。 http://www.simulradio.jp/#kinki

1.番組名『ジャングルお助け隊』
 12月8日(木)10:00〜10:30
 <再放送>8日(木)19:30〜、12日(月)13:00〜

2.番組名『とよおか!もっと教え隊!!』 ※2回に分けて放送
 ※放送された音声は、翌週月曜日にFMジャングルのホームページにアーカイブされます
 ■前半 1月9日(月)12:40〜
  <再放送>1月12日(木)20:00〜、1月14日(土)20:30〜
 ■後半1月23日(月)12:40〜
  <再放送>1月26日(木)20:00〜、1月28日(土)20:30〜

本当に皆様、お疲れ様です。そして、ありがとうございます。

2011.06.19

中間提案の一週間後。提案に対するフィードバックと承認を実施しました。

豊岡市のお二人が提案を持ち帰って、市役所内で検討会議を持っていただいたのですが、庁内の様々な部署から集まった関係者のコメントは、予想以上に多岐にわたりました。様々な角度からの感想・要望が書かれた議論メモを見せていただいたチーム側では、それらをどう反映していったらよいか若干戸惑いつつも、まずは、豊岡市と電話会議を行って議論の経過を把握しました。そして、受け取ったコメントの一つひとつの重要度・優先度を精査し、一つひとつ個別に対応を検討していきました。最終的には、多くのコメントは、何らかの形で、今後立ち上げていくウェブサイトのコンテンツに反映できるという前向きな見通しを立てることができました。

いずれにしましても、今回の学びとしては、自治体という組織が、日ごろサービスグラントでお付き合いしているNPOよりも職員も多ければ、部署も分化しており、多様な意見が出る可能性が高く、それぞれの部署のコメントを反映しながらも、きちんとした成果物につなげていくためのプロセス、つまり、提案自体もさることながら、提案後のフィードバックとその対応も、きめ細かさが求められる、ということが分かってきました。

その点、豊岡チームは、提案の内容もさることながら、その後のフィードバックを受けた対応もスピード感があり、いい形でマーケティングフェーズを締めくくれたのではないかと思います。

あっという間に夏至を過ぎ、プロジェクトは後半戦に突入しました。日本海のカニが美味しくなる冬の到来前の納品を目指して! 豊岡プロジェクトのプランニングフェーズに期待です。

2011.06.12

ふるさとプロボノ「豊岡市」プロジェクトの中間提案が、6月12日に行われました。
濃厚な3泊4日のヒアリング合宿から6週間。メンバーは合宿でのインプットを消化しながら、東京に戻ってからも各種文献調査や追加のヒアリングを実施し、提案内容を練りました。追加のヒアリングとして、流通会社の方や、「豊岡応援隊」のブロガーさんにお話を伺いました。また、参考事例として、「トキ」を用いた佐渡市の取り組みなど、他地域との比較にも力が注がれました。

中間提案では、「豊岡市ブランドが確立するまでの流れ」を整理し、その中でウェブサイトの役割を明確にする…という流れで、提案書は実に57スライドに及びました。豊岡市からは市議会の合間を縫って、真野副市長と、エコバレー推進室の大岸さんがお越しくださり、午前中一杯を使って提案を行いました。

発表を終えて、ここまで強力にチームをリードしてきたマーケッターのお二人は、ほっと一段落です。プロジェクトマネジャー寺島さんからは、こんな感想がMLに投稿されました。
「発表ギリギリまでプレゼン資料の修正をする姿は、通常のビジネスとなんら変わりない緊張感でした。逆にボランティアといっても手を抜かない皆様のプロ意識を改めて感じました。」

2011.04.29

この春新たに始まった、地域交流型プロボノプロジェクト「ふるさとプロボノ」が、本格的に動き始めました。第一弾となる兵庫県豊岡市プロジェクトは、先日のキックオフ事前ミーティングに続いて、4/29から5/2まで、3泊4日の日程で現地入りし、「キックオフ合宿」を行いました。

2011.04.29

大阪伊丹から小型機で30分。コウノトリ但馬空港に着いて最初に向かったのは、「県立コウノトリの郷公園」です。ここには飼育ケージの中で、野生復帰を目指すコウノトリが飼育されています。また、公園の外には、減農薬・無農薬の農法である「コウノトリ育む農法」を実際に行う田んぼが広がっていました。プロジェクトメンバーは小雨の降る中、豊岡市コウノトリ共生課・農林水産課の方々の案内で、田んぼを見学し、豊岡市で実践されている環境復元の取り組みの基礎を学びました。

2011.04.29

遠くに見える田んぼでは、野生復帰したコウノトリが本当に降り立っていましたし、市内を移動する中で何度も、悠然と空を舞うコウノトリの姿を目にすることができました。象徴的な存在として語られるコウノトリですが、実際に現地を訪れ、コウノトリの姿を目にすることで、プロジェクトのリアリティはぐっと高まったように感じます。

2011.04.29

さて、キックオフ合宿の最大の目的は、「ヒアリング」。政策に関わる様々な人々から話を聞いて、政策の内容を理解したり、市外の人々とどのようにコミュニケーションしていくべきなのか、ヒントを得ていきます。

窓口部署である、エコバレー推進室情報戦略係の方々にセットアップしていただいたヒアリングは、4日間でなんと21件!対象は、

・市職員の方
・「コウノトリ育む農法」を実践する農家の方々
・農産品の流通に携わる農協(JAたじま)の担当の方
・食品加工会社の社長さん
・環境経営を推進する企業の社長さん
・ビオトープの管理や「生き物調査」などを推進する市民団体の代表の方
・環境教育に携わる教育委員会の方

など、多岐にわたりました。限られた時間を有効に使うため、2人のマーケッター、武田さん・大谷さんを中心に、二手に(一部は、3グループに)分かれてヒアリングを進め、後から情報共有を行う形で、ヒアリングを進めていきました。

2日目・3日目に行われた農家さんへのヒアリングは、夜19時から始まるグループインタビュー形式。それを終え、車で30分の宿泊施設に向かった後、一日の振り返りと方向性の議論が、連日夜遅くまで行われました。

2011.04.29

ヒアリングの合間には、息抜きがてら豊岡の観光名所を訪れました。志賀直哉で有名な城崎温泉、白磁のお皿に小盛りで出てくる出石(いずし)の皿そば、どちらも市町村合併後の新豊岡市が持つ、魅力的な観光資源です。今回は、観光の促進はスコープ外ということもあり、食事や温泉の時間も限られていましたが、お楽しみの時間も必要ですね。

予定がみっちり詰まった濃厚な4日間を過ごして、プロジェクトメンバーからは「都会で暮らしている中ではなかなか出会えない方の話を聞けて、視野が広がった」との声が聞かれました。事務局から同行した私も、すっかり豊岡のファンになってしまいました。プロジェクトはこれから中間提案に向けて、今度は都市住民側のヒアリングや消費者調査を進め、豊岡ブランドをどのように確立していくのか、議論を進めていきます。

2011.04.09

プロボノワーカー5名のチームが4月9日(土)、始動しました。週末の朝から事務局に集まったチームを待ち受けていたのが、豊岡市から届いた段ボール1箱分の資料の束。みなさん一瞬動揺しながらもパンフレットを手に取って豊岡市の魅力発見に余念ありません。首都圏ではあまり馴染みのない地域ながら、情緒あふれる城崎温泉をはじめ、歴史・文化・自然と数々の魅力スポットがあるようで、少しずつ豊岡への関心が高まりつつあるところへ・・・

豊岡市の中貝市長、名産のスタイリッシュな豊岡鞄を手にご登場です。さらにそこから取り出されたのが、美しいコウノトリお守りとコウノトリの蒔絵シールのお土産。都会派プロボノワーカーたちも、ふるさと発おしゃれグッズに心奪われた模様です。

その後は、中貝市長から理路整然ながらも情感豊かなお話をいただき、私たちは「コウノトリが悠然と舞う」ことの意味を深く知ることになりました。環境政策の効果を実現するために環境行動の経済性を実証していくこと、空を舞う鳥を見てうつくしいと感じることに価値を見いだせる文化を守ること、固有の資産を守りぬく取り組みを世界に発信し、市民の誇りを醸成してまちづくりの力にすること。その明快なビジョンは、有機農業の導入、有機農産物のブランド化、エコツーリズム、環境企業誘致、環境教育、他地域との連携など、地道な努力に裏打ちされています。

明快なビジョンとブレのない取り組み姿勢、市内外で大人から小さな子どもたちまでを巻き込んでいく豊岡市の姿に、NPOや社会事業へのヒントも多く得ることができ、大変貴重な時間となりました。チームメンバーも、豊岡市構想の一端を担う参画者としてすっかり巻き込まれ、懇談会後半ではさっそく環境経済政策やコウノトリ関連施策の広報について意見が交わされ、今後の展開が実に楽しみなスタートとなりました。

来週はいよいよ、サービスグラントでも初めての試みとなる現地キックオフ合宿です。第一印象では全体に知的で大人な雰囲気のチームが、山奥の合宿所で夜な夜なコウノトリ育むお酒片手に、どのような熱い議論を交わすことになるのでしょうか。乞うご期待です。

掲載情報はプロジェクト実施時点のものです。最新情報は団体のウェブサイト等でご確認ください。