プロジェクト紹介
棚田LOVER's
あと5年で失われるといわれる棚田。主に兵庫県下(市川町、姫路市、佐用町、香美町)において、農業体験による棚田の保全・再生を目指した活動を行っているのが棚田LOVER'sです。
棚田米のブランド化以外にも、有機農業の普及・啓発、生物多様性のPR、空家の情報の収集、移住者の支援、貸し農園の運営などによる地域活性・都市農村交流活動など多様なチャレンジも進めて色々な入口を設けています。が、現在の課題は多様な人が現地に足を運び棚田保全をともに進める状態をいかに確保するのか。
慢性的な人材不足を解消し、現場強化を補うための営業ツールの作成をプロボノチームとともに目指します。
NPOのニーズ
棚田LOVER’sでは稲刈りや田植えの際にイベントを実施していましたが、イベントのみの参加者が主で、「田んぼの草取り」などの日常的に必要な作業に参加してくれる人がいないことが課題でした。法人・個人に関わらず、棚田保全の活動に継続的にしっかり関わってくれるスタッフ・ボランティアを集める活動を強化したいというニーズがあり、プロボノチームではその際に使用する営業資料を作成しました。
チームの取り組み
プロボノチームは、ターゲットの選定や営業資料で伝えるべき内容を明らかにするため、棚田LOVER’sが開催している様々なイベント活動に参加し、自ら体験するとともに実際の参加者へのインタビューなど情報収集を行いました。その結果、
1)団体の目的と活動内容の整理
2)活動に参加して欲しいターゲットの設定
3)団体のアピールポイント
という3点に改善の余地があることが分かりました。
そこで、棚田LOVER’sの関係者と宿泊を含めたワークショップを複数回実施し、団体とチームで考え方や思いを共有した上で営業資料の内容を下記のように設定し、最終的にすぐ手に取って理解してもらいやすい分量・サイズとして、A4表裏1枚の営業資料を作成しました。
1)団体の目的と活動内容について
・団体としての人集めは「棚田保全の人員」に注力して行い、まず基盤を固める。
・団体が解決したい課題、団体の存在意義を、営業資料でも明確に提示する。
2)ターゲットについて
・欲しい人材は「週に数日、1年を通して農作業に携われる方」とする。
・具体的なターゲットは上記の条件を満たし、かつ団体の魅力に興味を持つであろう「過去の参加者」「近隣のシニア層」「自然・食・地域に関心のある方」とする
3)団体のアピールポイント
・「(棚田LOVER’sの活動する)市川町ならではの棚田の魅力」「団体の魅力」として以下3点をPRする。
1.自然・いやし(石垣で囲まれた棚田の美しさ、四季の移り変わり等景観、名称「播磨富士」の笠形山、姫路の水源「市川」の源流、ホタルなど多様な生物や植物)
2.食(棚田特有の寒暖差で育つおいしいお米、顔が見える安心なお米、農薬・化学肥料なしで笠形山からの清流で育つお米、野菜)
3.立地・地域・人(姫路からのアクセスが便利(高速道路で約60分)、近くに笠形山への登山口がある、田舎の人の温かさ、宿泊可能な古民家・温泉)
成果
プロボノチームが納品した営業資料をベースに、棚田LOVER’sでも手を加えて3種類のチラシを作成されています。
チラシの内容はチームからの提案を存分に活用いただいて、棚田保全についてしっかり説明をしながら、食や農の大切さ、美しい棚田を保全しようというメッセージが盛り込まれています。
チラシの効果もあり、当時はスタッフが2名のみでしたが、新たにスタッフ2名と継続的に参加してくれる定年退職後のボランティアスタッフが2名増えました。人員の増加によって日常的な活動量も確保され、棚田米収穫量も約60kg増加しました。
またプロジェクト終了後は、チームからの提案を受けてイベントの回数を減らし、一つ一つのイベントの質を高めることに力を入れられました。ターゲットとなる自然食を取り扱う店などにもチラシを置くことで、例えば、棚田で取れたお米で餅つきをするイベント参加者が、以前は5名から2016年には4倍の20名に増えたという事です。
プロボノチームとのやり取りを経て、代表の永菅さんも、「スタッフはさらに増やしたいが、まずは着実にしっかりやっていきたい」「地に足を付けた活動をしていきたい」という考えをさらに強くし、その結果として地域の方とも良好な関係を築いておられるようです。
NPOの声
NPO法人棚田LOVER's
理事長 永菅裕一さん
プロボノの方々には本当に熱心に、活動にかかわっていただき心から感謝しています。
宿泊もかねて、市川町におこしいただき、団体の目的や課題の本質的な部分まで、考えていただき、そのおかげで、より目的を明確にし、仲間を増やすことにつながっています。周りからも活動がよくわかるようになったということや応援者も着実に増えています。今後もさらに努力していきますので、今後ともよろしくお願いします。
進捗状況
- ディレクター:
- みわっち
- マネジャー:
- ごほうパパ
- メンバー:
- こーじー うっちー まりりん おだっち はまじー
2014.06.21
これまでに実施したワークショップの振り返りをまとめる、農業参加者獲得のために必要な活動の流れ、現場に必要なボランティアさんの要件、ターゲット層、市川町の棚田の魅力再整理、その上での営業用資料 など、分担に分かれて作成を進めた内容をお互いにチェックをしながらオンラインにて最終化!
2014.05.06
現地滞在や大阪市内での2回の話し合いの中から、協力者より提供される素材が増えてきています。
2014.05.06
過去2回のワークショップに引き続き、第3回目となる棚田の魅力の伝え方に関するワークショップを実施しました。
2014.04.12
4月12日には、大阪など都心に住む協力者を中心としたワークショップで営業資料に盛り込むべき内容やターゲットについて共に議論しました。
2014.03.11
中間提案に対するフィードバックと承認を実施しました。
2014.03.03
中間提案を実施しました。
2014.02.20
2月21日19:30~23:00にもミーティングを実施しました。
by 岡本 祥公子
2014.02.11
中間提案事前ミーティングを実施しました。
2014.01.23
先日のNPOさんとの打ち合わせを受け、チーム内で今後の方向性についてミーティングを実施しました。
2014.01.13
代表の永菅さんとスタッフの方に、今後の営業ターゲットや事業の売り先について改めてヒアリングを実施しました。
2013.12.16
商店街での出店や、三宮で開催されている農楽カフェなどにも参加し現場見学、理解を深めています。
掲載情報はプロジェクト実施時点のものです。最新情報は団体のウェブサイト等でご確認ください。
- かものはしプロジェクト
- かぷかぷ山のようちえん
- セカンドハーベスト京都