プロジェクト紹介
チャイルドリソースセンター
児童虐待の再発防止、親子関係の再構築をめざし、CRC親子プログラムを開発。被虐待児とその親に提供して、8年目を迎えます。
また、虐待をはじめ、社会的養護にある子どもたちを育む人々を支援し、エンパワーするために研修・講演会開催事業にも力を入れ、活動しています。
NPOのニーズ
根本的な課題は活動資金の調達に関することでしたが、それに付随して、以下の点を改善したいと考えておられました。
・「結局、何をやっているの?」と聞かれなくなるよう、活動とその価値をしっかり伝えるものを作成したい。
・日々の広報、営業において、価値を伝え、応援してくれる人を増やしたい。
・組織運営、ファンドレイジングなどの課題整理や課題攻略を行いたい。
チャイルド・リソース・センターさんは行政の児童福祉部門を介して、虐待によって離れ離れとなった親子が、もう一度、一緒に暮らすことができるよう「CRC親子プログラム」という独自の支援プログラムを提供されています。
しかし、チームのメンバーにはこの活動の価値、その訴求対象が誰なのかがすぐに理解することが難しかったため、理解するための取組みとしてビジネスモデルキャンバスを用いて現在の活動内容を俯瞰し、事業活動や組織運営についての整理を行いました。また、事業環境調査として、厚生労働省の社会的養護に関する資料より、行政が推進している子育て支援スキームにおける活動の位置付けを調査しました。
チームの取り組み
その結果、以下の点が、課題として浮き彫りになりました。
・受託契約において業務相応の費用が得られていない(主たる収入源であるはずが、実際の業務範囲に基づく費用交渉ができず、委託元の予算に合わせた費用設定となっている。)
・受託契約数を拡大していくためのプログラムスタッフが育成できていない(収入増加には受託件数の拡大が必須であるが、スタッフ不足のため、受託可能件数が限られている。)
・会員、寄付収益を増やすツールとしてウェブサイトが活用できていない(被リンクが殆ど無いため、団体名を直接検索しない限りウェブサイトに到達できない。)
・「CRC親子プログラム」のブランド価値を磨けていない(独自性の高いサービスであるにも関わらず、価値が伝わりづらい名称。)
課題の抽出を行った上で、これらの課題に対してメンバーそれぞれが協力できることを考え、プロジェクト成果物となる、3つのとりくみを行いました。
1.業務範囲や業務フロー、必要費用を明示した営業資料(費用明細計算用Excel、配布用Word、プレゼン用PowerPoint)の作成
2.ウェブサイトのアクセス数向上対策の検討(Google Ad Grants 非営利団体向け AdWords の導入フォロー)
3.「CRC親子プログラム」商標登録に向けた名称見直し
成果
プロジェクト完了直後、チャイルド・リソース・センターさんは会員向け通信紙にて、次のように書かれています。
『今回のプロボノのかかわりで、まず、立ち止まり、自分たちの状態を見、私たちがすべきことは何かを再確認することになったのです。運営が大変な時だからこそ、自分たちの持っている「プログラム」を最大限に磨く必要があるのだと。道は決して楽ではありませんが、歩むべき方向ははっきり見えました。そんな中でプロボノの方々からいただいた「Good Luck!!」の言葉。「大丈夫、しっかり前へ!」と背中を押されたようで、思わず、ぐっときました。』
プロボノチームからのプロジェクト活動を通じた精神的なエンパワーメント、そして、これまで漠然としていた活動が明確な業務フロー、費用構造も含めて伝えられるようになったことで、自分たちの活動にとても自信が持てるようになったそうです。
そして、その結果、プロジェクトから1年後には、以下の成果を上げられています。
・大阪府に加え、堺市からのプログラム受託
・大東市からの親グループ支援事業受託
・新規スタッフ1名の参加
・会員数の増加(160→189名)
・CRC親子プログラム 『ふぁり』の命名
・『虐待する親への支援と家族再統合 親と子の成長発達を促す「CRC親子プログラムふぁり」の実践』の出版
プロジェクト完了後も折を見てプロボノチームとご支援先との交流が続いていることも一つの成果といえそうです。
NPOの声
NPO法人チャイルド・リソース・センター
代表 宮口智恵様
サービスグラントに「パンフレットの希望」の申込みをした後、最初の事務局からのヒアリングで「本当に必要なのはパンフレットですか?」と問われたところからがプロボノによる支援のスタートだったように思います。その中で「自分たちの活動を見直そう」と覚悟し、出会ったプロボノチームの皆さんでした。
異分野のプロボノチームの皆さんの「介入」は私たちにとっては大きな刺激でした。チームの皆さんは児童虐待についての事前学習や必要な情報を収集し、チャイルドリソースセンター(略称:CRC)の活動の根拠とするところをまず押さえてくださり、まずは自分たちの活動を俯瞰的に見ることからスタートしました。
最初は私たちも緊張し共通言語で話せないことの難しさを感じておりました。また、日常業務をひとつひとつ抽出していく業務の洗い出しの作業も、自分たちがこれまで避けてきた面でもあり、時間がかかる宿題でそれを見てもらう時は丸裸になるような感覚がありました。
しかし、チームの皆さんとの対話(問いをいただくことが多かったのですが…。)を重ねていく中で、少しずつ、背伸びせず今の自分たちの姿をそのまま見ていこうという気持ちになりました。
プロボノさんの伴走のおかげで、この一連の振り返り作業が可能になり、「プログラム」の価値を再発見し、自分たちの働きに対しての意識も変わりました。私たちは「親が内省するには安心基地が必要だ」と日々言っていますが、私たち自身もプロボノさんとの信頼関係がベースにあって、より現実を見ることができたように思います。ふだん、社会的にはほとんど注目されない分野です。それについて異業種のチームの皆さんが私たちの活動の話に耳を傾けて関心を寄せてくださったことそのものが、これからも頑張ろう!と思えるエネルギーになりました。
味のある4人の皆さんと出会えたこと、私たちの活動の大きなリソース(宝)です。ありがとうございました。
これからも時々、チームの皆さんに近況をあつかましくお伝えしていきたいと思っています。
進捗状況
- メンバー:
- りょーぱぱ さわさかさん すえまつさん しもかわさん うえのさん
2015.03.15
納品・打ち上げを実施しました。
2015.03.15
フィードバックミーティングを実施しました。
2015.03.15
営業資料プロトタイプ最終化を実施しました。
2015.02.25
プロボノチーム提供のプログラムの流れに関するフロー図を、行政への説明用に使用し、好感触であったというフィードバックがあり、速効性の高いサポートになったことが確認できました★
2015.02.18
まこっさんが、CRCさんと打ち合せを実施して下さいました。
2015.01.20
毎回のミーティングは、こども、親子の福祉に関する超エキスパートであるCRCさんと、それぞれのビジネス的な視点でCRCさんをよりよくしたいと願うプロボノワーカー、お互いの専門性を交換しあう未知との遭遇の時間★今回の本丸である営業資料のご提案も去ることながら、組織が一般の人にどう写るのか、色彩、図、表現の一貫性を丁寧に見ての提案があったりメンバーの個性も光っています。赤福をみんなでつつきながら、今日もCRCさんから「感動」の言葉がたくさん。専門性の高いNPOであればあるほど、全くの外部との接点も少なく、プロボノを通じた刺激が高い様です。
2015.01.13
1月20日にCRCさん訪問ミーティングの予定です。
2014.12.21
この日は21:30〜スカイプミーティング。実際にメンバーが実際に顔を合わせることが難しい場合には、オンラインミーティング★
2014.12.15
営業資料のラフ案を元に協議をしたり、内容は情報発信やネーミングに関するところまで多岐に渡りますが、毎回の顔を合わせたミーティングはお互いにとって多いに刺激になっている様で、「今日も良かったです」というNPOさんからのコメントも♪年度末ということで打ち合せの後は、忘年会兼懇親会で締めくくりです。
2014.12.13
営業資料プロトタイプ提案を実施しました。
2014.12.12
営業資料プロトタイプ構成設計を実施しました。
2014.11.08
子育てに忙しいパパも多いCRCチームなので、休日の夜にスカイプミーティングの予定です。
2014.11.01
素材作成・提供(NPO側作業)を実施。これまでに活用されている資料、行政向け提出書類などチームに公開いただきました。すでにあるものは活かしながら、新資料作りを進めていきます。
2014.11.01
少しエキストラですが、CRCさんのウェブサイトのヒット率をあげるにはの議論から、メンバーの知見を集め中。
2014.10.22
上野さんが過去の代表のインタビュー記事から、よく使っている表現や大事にしている言葉等を抽出。CRC親子プログラムという名前以外に、その内容が一言で分かる言葉探しを始めて下さっています。
2014.10.19
中間提案に対するフィードバックと承認を実施しました。
2014.10.19
中間提案で合意した内容に基づき、着々と役割分担が始まっています。今回は、CRC親子プログラムに関す業務の流れやを親子別にプログラムを計画する際のノウハウを棚卸し、行政側の予算執行担当に対してプログラムの優位性や、必要となるコスト、時間を説明するための資料を一度作成をしてみる、ということになりました。
2014.10.13
10月13日はタイフーンにより、ミーティングは中止になりました。自然の力の前には大人しく安全行動です。
2014.10.06
午前中にNPO様事務所訪問&13:00〜メンバー内ミーティングを実施予定です。
2014.10.05
スカイプでのオンラインミーティグ実施中。本当に場所を選ばずに会議ができる時代になりました。
2014.09.23
中間提案に向けてスカイプミーティングを実施しました。
2014.09.08
うえのさん、まこっさんお二人訪問にて、CRCさんの将来像をお伺いする個別ヒアリングを実施します。
2014.08.22
キックオフミーティグに参加出来なかった2名のチームメンバーとの情報共有ミーティングを実施しました。
2014.08.10
初回の顔合わせながら、福祉の現場の専門家とビジネスパーソン。普段にはなかなかない接点が繋がるだけで早くも驚きの視点の違いや考え方の多様性が分かってしまいます。CRCさんの「そうやって考えるのね!」の図
2014.07.26
CRCさんからご紹介頂いた児童虐待の現場を語ったルポや、それぞれの興味関心のあるところで書籍やオンラインなどを活用しながら基礎勉強、情報収集に努め、共有中です
2014.01.20
営業資料プロトタイプ提案に対するフィードバックミーティングが実施されました。1つの言葉をとっても、NPOさんが伝えたい通りには必ずしも伝わるものではなく、今回のような多様な方が関わる事で、それぞれにも理解の幅があり、的確に人に想いを伝え、意義を伝える事について改めて見直しをしています。
掲載情報はプロジェクト実施時点のものです。最新情報は団体のウェブサイト等でご確認ください。
- かものはしプロジェクト
- かぷかぷ山のようちえん
- セカンドハーベスト京都