プロジェクト紹介
荒川クリーンエイド・フォーラム
荒川クリーンエイド・フォーラムは、市民・学校・企業・行政等が連携して1994年から取り組んでいる荒川クリーンエイド(調べるゴミ拾い)を通して、荒川のゴミをなくし、都市における自然と人が共生する社会を目指して活動している団体です。活動内容としては、1.荒川クリーンエイド(ゴミ拾い、ゴミ調査)、2.生物多様性の保全、3.環境教育、4.水質調査、5.流域・全国との連携、6.情報発信の6分野で、主な事業には下記のようなものがあります。
・荒川クリーンエイド(ゴミ拾い・ゴミ調査)の運営:
過去20年間に亘り、行政、市民、企業等との協働により「調べるゴミ拾い」を推進しています。ゴミを種類別に数えながら拾うことにより、参加者に河川ゴミ問題への「気づき」をもたらすとともに、調査結果を活かしてゴミの発生抑制につなげることが特徴です。年間参加者は1万人以上、累計参会者数は16万人に及びます。
・生物多様性の保全:
「里川」の創造を念頭に置き、外来植物の除草、ヨシ刈り等を含めた自然地の管理と、普及啓発活動を行っています。
・環境教育:
親子向けイベントの開催や、小中学校の総合学習支援等の活動を通じ、子供たちの水辺の学習を支援しています。企業向けには、荒川の自然やゴミ問題をテーマに、体験と学びのある研修プログラムの企画・運営を行っています。
NPOのニーズ
これまでは企業と協働で各種イベントを実施した場合でも、業務に見合った十分な対価を得られるケースが少ないのが現実でした。そこで、これまでの企業とのタイアップ経験を活かし、企業向けプログラム(CSRプログラム、研修等)を拡充したいと思っていました。しかし、専従職員は2名であり営業活動に割ける時間は限られるため、効率的なアプローチ方法を考える必要がありました。
チームの取り組み
営業戦略の策定、および、企業向け研修プログラムの紹介パンフレット作成を行いました。そのため、チームは、まず荒川クリーンエイド・フォーラム(以下、ACF)のクリーンエイド(ゴミ拾い)活動に参加し、「NPOが行う人材育成研修とは何か」、「どうやったらACFの強みを企業の人事部にアピールできるか」をメンバーでとことん議論し、研修プログラムを検討していきました。また、関係者へのヒアリングを通じて、NPOの強みを分析し、その強みを生かした人材育成研修プログラムの営業戦略を構築していきました。
研修プログラムは作ったら終わりではなく、企業に買ってもらえて初めて完成です。そこで、その研修プログラムを企業の人事部に買ってもらえるように営業ロールプレイを繰り返すことで、人事部の担当者へのアピール方法を探りました。
成果
ACFは1994年から荒川流域のクリーンエイドを中心とする社会貢献活動を行っています。今回、その社会貢献活動に人材育成研修プログラムという「付加価値」をつけることによって、より幅広い企業ニーズに応えられるようになりました。研修を通じて新入社員が社会貢献活動に興味を持つようになったり、自社のCSRへの取り組みに共感し帰属意識が高まるといった効果も見受けられます。
具体的な成果として、新入社員研修や内定者研修をのべ10社以上受注し、2015年の新入社員研修も複数社受注予定です。総収入に占める自主事業収入の比率は、2011年の15.9%から2013年には35.5%に増加し、団体自ら運営する力を着々とつけていると実感しています。企業への新規開拓がやや苦手でしたが、民間企業での営業経験があるスタッフが仲間入りしてくれました。今後の活躍に期待しています。
ACFの強みは長年の活動で培われた組織の安定感と社会貢献のプロフェッショナルとしての自信です。この強みを生かして今後も本業であるクリーンエイドの推進と共に、研修の受注拡大にも取り組んでいただきたいと思います。
NPOの声
NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム
事務局長 伊藤 浩子様
今回のプロジェクトは、サービスグラントの中で新しい分野でもあり、無理難題な要望に熱心にご対応いただき感謝しております。
NPOの活動で、企業と協働して良い成果を出すプログラムがあるにも関わらず、なかなか知っていただけない、プログラムの良さを伝えるすべを知らない。それが私共の課題でした。市民活動に長年従事し、地域や川のゴミには精通していても、企業が求めるものに関しては本当に手さぐりの状況で進めていたところをプロボノの皆様に助けていただきました。
まずは、活動に参加、プログラムの良さを体感し、戦略を立てていただきました。中間ミーティングでは、「別アプローチを検討しても良いのでは」とまで言われたものでしたが、熱い議論を交わし、私たちが実現したいプログラムと、プロボノの皆さんの持つ企業センスとのすり合わせで、互いに納得いく方針を導いていただきました。
そして、具体的に企業へ持参できる資料を作成いただき、大きな力となりました。
本プロジェクトでは通常のサービスグラントの進行とは異なり、できる限り多く打ち合わせやすり合わせをいただきました。おかげでプロジェクト進行の過程で、プロボノの皆様より多くのご意見ご指摘、思いをいただき、私共スタッフも大いに学び、発想の転換ができたことも大きな成果となったことと思っています。
おかげさまで、研修プログラムは、徐々にではありますが受注も増え、新入社員研修ばかりでなく、一般社員研修などへの広がりもみられます。改善を繰り返しながら、さらなる広がりを目指していきます!
進捗状況
- プロジェクトマネジャー:
- 吉澤さん
- マーケッター:
- 斉藤さん 秋山さん
- ビジネスアナリスト:
- 松田さん
- コピーライター:
- 加藤さん
- アカウントディレクター:
- 松下さん
掲載情報はプロジェクト実施時点のものです。最新情報は団体のウェブサイト等でご確認ください。
- かぷかぷ山のようちえん
- かものはしプロジェクト
- セカンドハーベスト京都