プロボノは自分らしくいられる第3の居場所
前田 崇行さん(メーカー勤務)
参加プロジェクト:谷河内南町会 地域の公園の在り方・活用策を考えるための住民意識調査(2023年)
地域で暮らす人のために。自治会経験から、町会支援プロジェクトに関心
ー プロボノに参加した理由は何ですか?
私は自動車部品を扱うメーカーでプロジェクトマネジメントの責任者をしています。プロボノに参加した一番の理由は、私が30年くらい社会人として仕事をしているなかで、自分の持っているスキルや知識を社会に還元したいなっていう望みがあったことです。私はプロジェクトマネジメントをずっとやってきたので、自分が仕事でやっていることが、社会に貢献できるのかな、通じるのかな、というのと、再現性のあるスキルになっているかどうかを確認したい、磨きたいという思いがありました。
ー 谷河内南町会さんのプロジェクトに参加された理由は?
4、5年前、当番制だったんですが、自治会長をすることになりました。 近所の人のために仕事以外の仕事をやることってなかなか達成感があって、結構面白かったんですよね。近所の人たちとゴミ置き場の整備をやったり、街灯を付けたり、市役所と折衝したりなど。それが面白い経験だったので、町会さんと一緒にやるプロジェクトに立候補しました。
ー 参加するにあたって不安はありましたか?
誰しも新しいことを始めるのは不安で面倒ですよね。なので、不安があったかと言われれば、ありました。でも、それはみんな一緒なので、新しいことを、見ず知らずの方と活動することがプロボノの醍醐味だと思いますので、それを楽しもうという勇気、チャレンジが必要だなと思いました。
「越境」と言われますが、それは必ずや参加者の皆さんの仕事や人生に役立つと言われていますし、私自身もそう思いますので、不安もあるとは思いますが、飛び込んでみると新しい世界があると思います。
本業でも活きる経験に。プロボノは自分らしくいられるサードプレイス
ー 参加してみていかがでしたか?
私が参加した時は4名メンバーでしたが、ITの方もいれば製造業の方もいたり、職種も年齢もさまざまなバックグラウンドをお持ちの方が集っていました。その中で個々の力を出し合ってプロジェクトを成し遂げるプロセスが、一番楽しかったですね。結果ももちろん出さなきゃいけないんだけれど、プロセスが面白かったことが、参加してよかったことだと思います。
ー プロジェクトを進めるうえで大変だったことや工夫したことは?
先ほどプロセスが楽しかったと申し上げましたが、その中でやっぱり大変なことはあるんですよね。問題が起きたり、うまく進まなかったり、メンバー同士考えが異なることもあれば、予定がなかなか合わないっていうのは往々にしてあります。私はプロボノチームの中でプロジェクトマネジャーの役割でしたので、メンバーとの打ち合わせ日程のとりまとめや、オンラインでのやりとりのなかでもメンバーみんながちゃんと同じ絵を見られているか、モチベーション高く、エンゲージメントを保てるかというのは、難しいところでもあり工夫した点ではあります。同じ人だけに偏って議論してしまうことにならないよう、積極的にみんなが発言できるように気を付けていました。
また、プロジェクトは4つのステップで進めていきました。2023年の10月からアンケートを作り、12月末までに集計し、それを分析して中間提案を年明け1月に実施、2月10日に町会へ成果提案発表でした。正月を挟んで正味4-5カ月で行ったかたちです。アンケートを作るのが一番大変だったかと思います。
プロジェクトにおける町会さんの関わり方としては、アンケートを配り、回収していただくところは町会さんにやっていただきました。また、公園の活用方針案についても、町会さんからも「これはよさそう/よくない/我々が思っているのと違う」などレビューしていただき、それをもって中間提案ですり合わせをして成果提案へと進めていきました。
成果提案の場では、プロボノチームとしてアンケートがこのような結果で、このような活用案はいかがですかと提案したうえで、今後どのようにしていきたいかを町会さんにも考えていただくワークショップを実施。「こんなふうにしたい」「こんな公園になったらいい」といった意見を積極的に出し合っていただき、その内容もまとめました。
その時に、江戸川区役所の方にもお越しいただき、見ていただいて、地域の公園についてこんなことを町会や住民の皆さんが考えているんですよっていうことを把握してもらうという意味で非常に良い機会になったかなというふうに思います。
― プロボノの経験は、仕事に活きていますか?
仕事以外で全く知らない方と「せいの」で一つのプロジェクトをスタートから終わりまでやっていくというのは、なかなか自分の仕事上では味わえないような経験でした。なので、会社で私もプロジェクト運営をする際に、特に新人さんが来たり、世代が離れた人だったり、海外のメンバーと仕事をするというようなダイバーシティがある環境のなかでプロジェクトをどう回したらいいのか、というところに関して、非常に活きているじゃないかなと思っています。
― プロボノを一言で言うと?
いわゆる家庭・プライベートと仕事・会社ではない、サードプレイスというのでしょうか。第3の居場所みたいな、カフェのセールストークじゃないですけど(笑)自分らしくいられる場所かなというふうに思います。
※この記事は、2024年8月21日開催のプロボノ参加者向け説明会 経験者トークの内容をもとに編集しています。
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