プロボノをきっかけに、社会に対する自分なりの接点を発見!
竹内 美紀さん(不動産サービスプロバイダー勤務)
プロボノでの役割:青森プロボノチャレンジ メンバー
参加プロジェクト:しののベース(2023年)
※「青森プロボノチャレンジ 」は、青森県内のNPO・地域団体を支援するプロボノプロジェクトです。約2か月間の短期プロジェクトで、県内在住・首都圏在住のプロボノ参加者でチームを編成します。
旅行者とはまた別の立場で、青森に関わりたい
―参加のきっかけを教えてください。
普段は、不動産会社のIT部門で、社員のみなさんが使うシステム管理運用・導入支援、情報セキュリティの社員教育などを担当しています。プロボノという言葉自体は前から知っていたのですが、自分がやることは想像していませんでした。昨年ひょんなことから弘前市に通う機会ができ、旅行者として青森を毎月訪れるようになりました。半年くらい経った頃に、旅行以外の機会でも青森に関わる方法がないかなと思うようになっていたときに、ちょうど青森県庁のHPで青森プロボノチャレンジに首都圏からも参加者を募集していることを知りました。県内のプロボノ参加者とチームを組んで県内団体を支援するという取り組みもユニークに感じました。旅行者として行くと、生活者の生の声を聞くことが少なかったので、別の観点で青森の方と関われる良い機会と思い、青森プロボノチャレンジに参加しようと思いました。
―参加したプロジェクトについて聞かせてください。
説明会にも参加し、実際に団体の活動場所を訪れてヒアリングを行うこともあると聞いたので、取り組みやすさから弘前市のしののベースさんのプロジェクトに立候補しました。
しののベースさんは、地域の中で孤立しない場を生み出すことをテーマに、他世代交流の場づくりに取り組まれている団体です。様々なイベントやワークショップを毎週開催されているのですが、イベントの予約にあたりInstagramのDMやメール、代表の携帯電話宛の連絡など、色々な入口からの申し込みを受け付けており、煩雑で調整が大変という課題をお持ちでした。そこで、イベントの予約フロー整理と申し込みのオンラインフォーム導入の支援をさせていただきました。
―プロジェクトはどのように進行しましたか?
実際のイベントに県内在住のプロボノメンバーが現地で、私はzoomで参加し、その場でスタッフや来場者などにヒアリングをさせてもらいました。そこで聞いた団体の取り組みの良さや課題をもとに、どういったツールを導入するのがふさわしいか、メンバーで検討を進めました。いくつかのツールの候補に対し、それぞれのメンバーが一定期間実際に使って検証し、最終的にはひとつのツールを提案しました。さらに、団体がうまく使っていけるように予約受付やイベント開催時の受付の方法などを盛り込んだ手順書を作成し、納品しました。
互いに学び合い、発見があった
―プロボノに取り組んだことで、何か変化はありましたか?
初めてプロボノにチャレンジしたのですが、これまで全く接点がなかった人たちが同じ目的を持って一堂に会して議論したり、団体さんにとってよりよいことは何かアイデアを出しあって物事を進めていくのが、すごく新鮮な体験でした。プロジェクトの最後に、二か月間一緒に取り組んだメンバー同士でそれぞれに良かったことやその人の強みなどをフィードバックする時間があったのですが、私へのフィードバックで、「社会人として見習いたいことがたくさんあり、ひそかにお手本にしていた」「叶うことならまた一緒にお仕事したい」というコメントがあり、全く利害関係のない人たちの間でそのような言葉が交換されるのが驚きでしたし、とても嬉しい体験でした。私自身、メンバーのみなさんから本当にいろんな学びを得ています。議論の方向性を軌道修正する方法や資料のまとめ方、周りの人たちに気配りをするリーダーの言葉遣い、団体さんに寄り添う姿勢など、それぞれの特性が個性豊かで私にはないものを発見し、学びにつながりました。
プロボノ参加をきっかけに、自分の周囲に対してやりたいことが見えてきた
―今後取り組みたいことをお聞かせください。
はじめてプロボノに取り組んだことで、社会には多くの団体さんがそれぞれの思いを持って、社会をよりよくしたいという想いで活動されていることを知りました。
自分自身を振り返ったときに、社会に対して何ができるかなと。青森に通うきっかけでもあるのですが、今、国産のシードルに興味があるんです。シードルは青森でも多く生産されているりんごのお酒で、国産のシードルを飲むのを楽しみに青森に通っていたくらいなのですが、プロボノの期間中に地元の方と話したときに、意外と地元ではあまり飲まれていないということを知りました。せっかく良いものがいっぱいあるのにもったいない、青森に限らずもっと多くの人にシードルを知ってもらいたいと思い、日本シードルマスタ―協会に入会しました。これからは、自分なりにシードルの良さを普及する活動に関わっていきたいです。プロボノをきっかけに、自分の周囲に対してやっていきたいことが見えたように思います。
―まだプロボノを経験していない人にメッセージをお願いします。
私も始める前は、特別なスキルがないとできないのではという不安があり、大丈夫だろうかと思いながら立候補しました。実際に参加して取り組むなかで、相手の話をしっかり聞き、課題をちゃんと認識し、決められた期間のなかで自分たちにできることはどういうことか、どういうふうにリソースを配分するかを考えるというような、仕事のなかでよくやっていることを活かせる場面がプロボノの中に多くあると思いました。少しでも興味があるなら、まずは説明会やイベントに参加して話を聞いてみることから取り組まれると良いかと思います。
※この記事は、2024年1月5日に放送された「渋谷のラジオ 渋谷でプロボノ-大人の社会科見学-」 の内容を一部編集したものです。
▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。
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