地域や人のためになる活動であり、自分自身にも返ってくるもの
小山 恵司さん(ホテル・レジャー事業会社勤務)
プロボノでの役割:マーケッターなど
参加プロジェクト:地域の情報発信応援プロジェクト(ホームページ作成・2022年)
普段のお仕事と、プロボノに参加したきっかけを教えてください
観光業界で、サービス業やIT系の仕事をしています。「地元に貢献したい」という気持ちがあって2022年秋にプロボノに参加しました。コロナでお店をたたまれたりすることで、まちの風景が変わるのが寂しく感じました。また、動画やイラストを描くスキルを活かせる場はないかと思っていました。実は、副業NGの会社に勤めていることもあって、最初は、某相談所に「無料でもいいから働かせてもらえないだろうか」と相談に行ったこともありました。これまでは、好きなことや自分のスキルレベルに見合うことをしてきたのですが、異なるフィールドで働くことを通じて見識が広がるかもしれないという期待もありました。相談先での受け入れは難しいといわれたのですが、そこで、「プロボノに参加してはどうか?」と勧められました。そこで初めてプロボノについて知り、インターネットで調べていたところ、地元への貢献とリンクしていた「地域の課題解決プロボノプロジェクト」と出会いました。そのプログラムに参加したのがきっかけです。
最初は本業以外での場で見識を広めたいというお気持ちだったのですね
コロナで観光業界全体が影響を受け、在宅に移行したこともあって、少し時間ができたのと、動画やイラスト制作は自分でもセンスがあると思って!これを活かすにはどうしたらいいか?と考えていました。
2022年に参加いただいたプロジェクトのご紹介をお願いします
「地域の課題解決プロボノプロジェクト」のなかでも、町会・自治会さんの情報発信を応援するプロジェクトに参加しました。その時は、4地域から町会・自治会さんが参加されていて、団体のホームページ制作をお手伝いしました。私がサポートしたのは、中野区にある沼袋町会さんです。西武新宿線・沼袋駅が最寄の地域で活動する町会さんです。
沼袋の近くには、氷川神社という神社があって、実は初詣にも行っていたくらいの愛着のある場所です。先日も中野サンプラザが閉館したというニュースがありましたが、この地域一帯、これからどんどん変わっていく地域で、関心がありました。ぜひこの地域で活動されている団体さんを応援したいと思いました。
どの町会さんもそうですが、地域のつながりが希薄になり、回覧板が以前より回りにくくなっていることなど課題感を伺いました。まちの活動を支えている方々はご高齢の方が多いですが、新しい住民の方々は若手層も多いです。そういった状況のなかで、情報発信にどう取り組んでいくのか、というところに取り組むプロジェクトでした。
私自身、コロナの緊急事態宣言時には、ウォーキングをしていたエリアでした。実際に歩いていた地域とあって、非常にモチベーション高く参加しました。
地域の情報発信応援プロジェクトは、HP制作に取り組む町会・自治会さんにプロボノワーカーが伴走するかたちでサポートするプログラムです。小山さんは、どのように関わられたのでしょうか。
3回講座の日程が決まっていて、そこでは実際に団体さんに会って活動しました。多くの町会・自治会の皆さんは、制作途中で掲載したいと思う内容(例えば、地元の歴史など)が増えることがあります。そういった時には、最初に整理した制作の目的にたちかえって、新しい住民の方や比較的若い層に伝える情報として、新しい取り組みを紹介してはどうか等、自分に近い世代がほしい情報についてアイディアをお話しながら作っていきました。
地元の方が、地域を盛り上げていく活動を応援するのは、日ごろの仕事でも同じところです。「地元の方たちの力こそが地元を盛り上げていく」という感覚はずっと持っていました。制作することよりも、継続運営していくことが大事だと思っています。
お話する中で、「あのイベント復活しないのでしょうか…」と期待をこめてお話伺ったりもしました(笑)。今年はお祭りがある様子。ぜひ顔を出せたらと思っています。回覧板が時には1か月で回りきらないこともあるというお話をされていましたので、リアルタイムでの情報発信はますます大事だと思います。ホームページをどんどん見てもらいたいです。
モチベーションチャートをかいていただきました。どんな気持ちで参加されていましたか?
よいまちになれば、人が来てくれて、よいまちづくりにつながり、それは地元民でもある自分たちの暮らしにもつながってくるものだと思います。新しいコミュニティ、まちづくりを通じて、注目される場所になっていくことはよいことだなという思いが根底にありました。モチベーション高く参加しましたが、さらにあがっていったきっかけは、「助っ人の登場」です。講座に途中から参加された町会の方で、私より年齢が上でしたが、ITにとても関心高く、リテラシーが高い方で、すごいな!と思いました。若い方でないとITスキルは高くないということは全くない、間違った感覚だと気づきましたし、ホームページ制作の取り組みにも柔軟に挑戦されていることが素敵だなと思いました。
プロジェクトが完了した12月の時点では公開されたホームページはみられなかったのですが、その後に予定されているイベントが実現したら、ぜひその発信を見てみたいと思います。参加中に見られたら一番よかったのですが、昨年はまだまだイベント開催に慎重な時期でしたので。このプロジェクトで、オンラインではなく、リアルで団体さんに3回お会いしましたが、やはり実際にお会いできるのは楽しかったです。
事務局注:沼袋町会さんのホームページは、2023年に入ってから公開となりました。
プロボノに参加して、「地元へ貢献したい」という気持ちは達成できたと思います。ささやかなこと、例えば、昔作成された資料の互換性を調整したり、ホームページ掲載用に少し写真を加工する等でも貢献できると思いました。
何かできることがあれば今後もぜひプロボノに参加したいと思います。また、体を動かしてすることも参加してみたいなと思いました。例えば、イベント運営のお手伝いなどです。人手が足りないという話は聞きますので、まちのイベントやまちおこしプロジェクトなど、1日だけでも参加してみたいと思います。盆踊りやお祭りなどの運営に参加する人をマッチングしていくような仕組みができるといいなと思います。
最後に、小山さんにとってプロボノとは?
自分自身に返ってくるもの、だと思います。対価が発生しないからこそ、色んなことを対等に言えたり、アイディアが出せることもあります。一つ一つのプロジェクトや活動は小さい課題解決かもしれないけれど、小さな積み重ねが大きな解決につながっていくんだと思います。HPでの情報発信自体が、まちの豊かさにつながっていくと感じています。プロボノは「自分が楽しくて、地域や人のためになる活動」とシンプルに思います。
※この記事は、2023年7月 26日の「ぷろぼのラジオ」での経験者トークを基に編集しました。
▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。
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