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山野 優子さん(ビジネスアナリスト)

プロボノはNPOの活動や実情を学ぶ選択肢の一つにも

 

山野優子さん(化粧品メーカー勤務)
プロボノでの役割:ビジネスアナリスト
参加プロジェクト:Alopecia Style Project Japan(ASPJ)(2022年)

プロボノに参加した一番の理由は何ですか?

 

いままで戦略コンサル10年、事業会社の経営管理4年と、ビジネスセクターでガリガリやってきたので、次のキャリアはソーシャルセクターで直接的に社会課題の解決に携わりたいという人生の方向性を漠然とは定めていました。具体的にどう動こうかまだ見えていなかったところ、たまたまプロボノという関わり方があることを知って、NPOを勉強するにあたっていい機会だと感じました。
NPOに携わる方法としては、団体の集会やボランティア活動に参加する選択肢もありましたが、プロジェクトという形で期間限定なことも、個人的には心理的負担が軽くて良かったです。NPOの組織や活動の実情を垣間見られる貴重な経験だと思いました。

 

 

参加時に不安はありましたか?


「参考にできるひな型・テンプレートや過去の事例情報などはあるのだろうか」「ゼロから丸腰で立ち上げて完了させるとなると結構大変だな」と、参加前は不安に思っていました。けれども、サービスグラントからプロジェクトの進め方をまとめた進行ガイドやテンプレートなどをひと通り提供いただけたので、ベースとして参考にしつつ、自分たちの工夫も付け加えられる感じで、安心しました。これを活用すればプロジェクトを進めていけるんだろうなと思えて心強く、これをひとつひとつ蓄積してきてくださった先人プロボノワーカーのみなさんに頭が下がる思いです!

 

 

参加してよかった点は何ですか?

 

事業計画立案というテーマだったこともあり、NPOの抱えるコアな課題の解決に斬り込んでいくプロジェクトだったので、自分が今まで関わってきた企業とも比較しながら、NPOでも同じこと、NPOだから違うことを垣間見られたのが勉強になってよかったです。
また、チームビルディングやプロジェクトマネジメントのスキルは、人が目的のために集まって継続して何か活動しようとするときには概して必要になるんだなと、しみじみ感じました。
またプロジェクトのプロセスの一環で、他のNPOの比較調査やインタビューをしたのも勉強になりました。たくさんのNPOの定款や活動計算書(企業におけるPLのようなもの)を読み込んだり、代表のキャラクターや設立からの経過年月が異なる複数のNPOにインタビューさせていただいたことで、NPOの課題感を相対的に知ることができました。
そういう経験を踏まえて、自分が将来NPOに携わることがあれば、どのようなスキルを発揮して貢献するのが良さそうかをイメージしやすくなったのが収穫だと思っています。

支援先団体が実施した公開イベントの様子。山野さんは仙台からのプロジェクト参加でしたが、現地訪問したメンバーが様子や思いを共有してくれました

 

大変だったことや特に工夫したポイントは何ですか?

 

支援先団体の求めていることやできることがどこまでなのか、相手の立場に立ってよく想像したり、話を伺ったりしながら、提案が絵に描いた餅にならないように丁寧にすり合わせて落とし所を決めていくところがポイントだったと思います。
分かりやすく整理するだけでもすごく喜んでいただけたり、逆に複雑な提案をし過ぎてしまうと消化しきれなかったりなどあるので、プロボノの限りある時間に対する団体の満足度を高めるためにも、求められているレベル感の見極め、逆に言うと求められていないところは潔く切り捨てることが重要だったと思います。

事業計画案を支援先に最終提案した際の記念撮影

 

プロボノの経験は仕事に活きていますか?

 

活きていると思います。自分の強みの棚卸しのひとつの良い機会になりました。プロボノ活動中、仕事のように評価や報酬にはつながらなくても、ついついやりたくなる作業や楽しめる作業などは、やっぱり自分の得意・好きな分野なんだなとあらためて冷静に分析することもできました。
また、社会には本当にさまざまなバックグラウンドの人がいるのだということが、当たり前のことではあるのですが、あらためて実感できました。団体を立ち上げた代表、そこに共感して社会を変えようと集まったメンバー、そしてプロボノチームで一緒にプロジェクトに参画した人々、それぞれがそれぞれの立場で前を向いて社会を少しでも良くしようとしている姿にパワーをいただきました。当事者の方の思いにも触れるなかで、どんな方にも背景があることがわかり、日常生活でも人に優しくなれる気がします。

 

「プロボノ」を一言で言うと?

プロボノの語源は「公共善のために」と聞いていますが、まさにその通りだと感じています。自分だけ良ければ、自分さえ勝ち逃げて生き果せられれば、ではなく、自分も社会の一員として支えられここまで生きてこられたことに感謝して、何か社会に貢献したいと一歩踏み出すことがプロボノなのかなと思います。特に、資本主義に浸かって仕事で成果や成長、スピードを常に求められている人には、気づきの多い新鮮な時間になると思うのでおすすめしたいです。

 

※この記事は、2023年2月8日開催のプロボノ参加者向け説明会、経験者トークの内容を基に編集しました。


 

▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。

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