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矢野口地区 介護予防ラジオ体操会(事業評価)

草の根の健康づくりの効果を可視化して、活動がさらに活発に

 

 

支援先団体:矢野口地区 介護予防ラジオ体操会
プロジェクトの種類:事業評価
実施期間・エリア:15年10月~16年3月(東京)

 


 

 

世代を超えて広がるラジオ体操の輪
転倒骨折予防教室やストレッチ教室などの自主グループ

 

「本プロジェクトは、東京都内の地域団体やNPOを応援する東京ホームタウンプロジェクトの一環で実施されました。」
緑豊かな静かな環境と、坂のない平坦な地形で誰もが暮らしやすい町と言われる東京都稲城市矢野口地区。ここでは、高齢者が自分たちの健康を自分たちで守るための自主的な活動が盛んに行われています。その一つが2016年に始まった毎朝のラジオ体操。

 

もともとこの地区では、介護に頼らない生活をしていこうと、市の呼びかけに応じて、2006年頃から転倒骨折予防教室やストレッチ教室などの自主グループが次々と7団体結成されました。その後、各グループをつなげる連絡会が結成され、「もっと男性が参加しやすい活動に」と、毎朝のラジオ体操がスタートしました。
参加者はあっという間に200名を超え、夏休みには地元の小学生たちも一緒に参加するなど、世代を超えてラジオ体操の輪はじわじわと広がっています。

 

 

行政や地域による評価を上げるためには?

 

ラジオ体操会の課題は、まずは基本となっている転倒骨折予防体操をしっかりと持続し、そのうえで、地域に目に見える形で活動を広めていきたいというものでした。その方法として、朝のラジオ体操を、現在の4箇所からもっと増やしていけるよう、リーダーの育成も含めて取り組んでいましたが、一方で、「自主グループ」という肩書きのない組織にたいして、行政や地域による評価を上げていくにはどうしたらよいかという悩みを抱えていました。

 

 

行政や地域へ自主グループ活動の可視化を行い、
認知度を高め、今後の活動をスムーズに

 

矢野口で行われている草の根の健康づくりの活動を、数字や具体的なエピソードをつかって見える化することが必要と考え、以下のような事業評価プロジェクトに取り組みました。

 

  1. 現在の活動を紐解く。ラジオ体操会を実施するに至った流れに沿って、これまで実施してきたこと、推進にあたっての課題とその対応(成功要因)、事業の具体的な内容と期待される成果(案)を明らかにする。
  2. 活動内容に対して、期待する成果を定量的、定性的に評価を行う。
  3. 1、2を第三者的、客観的な視点でまとめることにより、行政、地域へ自主グループ活動の可視化を行い、認知度を高め、今後の活動をスムーズに行えるようにする。

 

 

多世代・地域の関係者をどんどん巻き込み
コミュニティの広がりを感じた

 

プロボノチームによる取り組みから約2年が経過した今年7月、その後の成果(変化)をお伺いしに訪問したところ、以下のような報告をいただきました。

 

  • 自分たちの活動が、地域の新しいコミュニティづくりにつながっていることが確認できた
  • 地域包括支援センターと連携して、地域をつなげていく手順を確立できた
  • 地域包括支援センターに頼るばかりでなく、地域住民が自らつなげていくアプローチをとらないと、つながらないことがわかった
  • プロボノのプロジェクト後、より大きな取り組みとして、介護予防だけではなく、多世代・地域の様々な関係者を巻き込んだ「地域の支え合いの会」を結成した

 

実際のところ、要介護認定を受けている高齢者の割合が稲城市の平均よりも低いという矢野口地区。その要因のひとつは、こうした地域の草の根の地道な活動にあるに違いありません。効果を可視化したことで、認知度が高まり、活動がさらに広がっていくことに期待したいと思います。

 

矢野口地区 介護予防ラジオ体操会のプロジェクトの様子はこちら

 

 

プロジェクトのその後(支援先団体からの声)

 

矢野口地区介護予防ラジオ体操会
安西 ハツヱ さん

 

プロボノについては、私達が色々聞かれることに耐えられるかしら、とか不安はたくさんあったのですが、プロボノの皆さんが上手に聞いて下さいました。10年続けてくる中で、市とのやり取りや小学校利用にも色々と壁があってたくさんの障がいを乗り越えて来ているのですが、他に話すところがありませんでした。室内の転倒骨折予防教室とラジオ体操をあわせると定期的に運動している人が200名超で何か絶対成果はあるはずと思っていても説明できる手段を持っていませんでした。

プロボノさんの事業評価を受けて「地域の中で元気を作っていることの証明」と「古くからの地縁型コミュニティと、体操などのテーマ型コミュニティが上手に相まって、地域包括支援センターの細かいサポートも受けながら新しいコミュニティができあがっています」という評価をもらいました。古いコミュニティで生まれた私が新しいコミュニティ作りに関わっているというのはなんとも不思議ですが、自分達を評価する報告をされた時は言葉も出なかったです。

事業評価を受ける、すなわち、私たちの活動を事業として見て頂いたということは非常に新しい展望です。地域包括ケアシステムも人の繫がりから始まると思っています。行政の方には形作りから始まってしまわないで、地域の地べたを這うような地道な広がりだったり、地域の人の繫がりをひとつずつ紡いでいくような活動について、プロボノさんの評価を参考に見直して欲しいと思います。

 

※掲載内容は2017年11月時点のものです。

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