資金調達達成で団体の思い描くミライに、一歩前進
支援先団体:NPO法人 あっとすくーる
プロジェクトの種類:マーケティング基礎調査
実施期間・エリア:2014年7月~2015年1月(関西)
経済的困難なひとり親家庭の中高生を対象にした
学習と心の居場所づくり
あっとすくーるは、主に経済的困難なひとり親家庭の中高生を対象に学習支援を行っている団体です。1人親家庭で育つ子どもたちが、経済的な心配から進学や就職、塾に通うといったことを、親に相談できず諦めてしまう現実から、「経済的困難を抱える1人親家庭の子どもが、将来に対して希望を持ち努力ができる社会を創る」という目標を掲げ、子どもたちを学習、心の居場所の両面からサポートしている団体です。
サポーターや寄付者の獲得に向けた
現状分析を一緒に行いたい
子どもたちの学びをサポ―トする大学生の募集や、活動を支えてくれる寄付者の獲得に向けて、団体としてどこに力を入れていけばよいのかを一緒に考えてほしい。特に、関係者へのヒアリング結果や統計資料を基に一緒に課題分析をする時間を設けてほしいというニーズをいただきました。
スタッフや利用者のヒアリングで見えてきた
ビジネスモデルや運営の課題
NPOのニーズを踏まえて、最初にあっとすくーるが置かれている現状把握を行うため、子どもへの教育に関する外部市場・環境の把握と、あっとすくーる内部の資源検証を行いました。スタッフや利用者ヒアリングを実施し、その回答や統計資料を基に分析を進める過程で見えて来たビジネスモデルや法人運営上の課題も含めた提案を中間報告で行いました。
最終報告会では、あっとすくーるさんのニーズでもあった「団体とプロボノチームが一緒に課題分析を行う」ことを目的に、法人の内部資源の一つである職員から事業計画プレゼンテーションを行ってもらい、今後の検討課題についてワークショップ方式でディスカッションを実施しました。その場で出た様々な意見は、次年度以降の大学生募集や寄付者獲得に向けた具体的な行動計画の策定に反映、実行することで合意しプロジェクトは完了となりました。
クラウドファンディングなどでの資金調達
さらに運営体制の強い基盤づくり
プロボノチームからの提案を受けて団体、プロボノチームが一緒に考えた結果、法人の在り方を見直し以下のような成果に繋がっています。
【クラウドファンディングによる資金調達の成功】
新規のあっとすくーる高槻校の開講に伴うクラウドファンディングに挑戦し、80万円ほどを確保できました。
【その他の資金調達】
- 寄附はNHKの特集番組を見た大口の寄附者が現れ、昨年の倍の800万円に増加しました。
- 事業収入は、高槻教室の新設に加え、箕面教室の増加もあり、さらに不登校事業の委託継続も決まったことから、相当のかさ上げになりました。
箕面教室はこれまでの実績がじわじわと効果を出しており、生徒数も順調ですが、新設の高槻教室はまだ周知不足もあり、若干生徒集めに苦労をしています。 - 当初は1人親家庭の子供の学習支援でスタートしましたが、不登校生や家庭の事情を抱えた子供も増加したことから、再度、法人としてのあり方を見直した結果、誰に何をどのように提供するかのコア事業について軸足が定まり、法人が目指す方向性の共通認識を持つことができました。
さらに運営体制を盤石なものとするため、法人運営を総括する事務局長及び事業の運営責任者の雇用し理事長が経営に専念する役割分担を図る他、講師となる学生の安定的な供給確保に向けて取組んでいます。
プロジェクトのその後(支援先団体からの声)
NPO法人 あっとすくーる
理事長 渡 剛さん
プログラムの途中で「こういう風にしたい」と当初の計画とは少し違うことをお伝えしたのですが、それをきちんと受け止めてくださって臨機応変にプロジェクトを進めていただけたのが本当に助かりました。
プロジェクト終了後もプロボノとして応援してくださる方との出会いもあり、本当にいい機会をいただきました。ありがとうございました。
※掲載内容は2016年3月時点のものです。