ママ視点の提案が意識的な広報活動と成果に繋がった
支援先団体:NPO法人 NAGOMI VISIT
プロジェクトの種類:マーケティング基礎調査
実施期間・エリア:2014年12月~2015年3月(東京)
継続的な異文化コミュニケーションで
多文化共生社会の実現を目指すNPO法人
普段日本に住んでいる人(ホスト)が訪日旅行者(ゲスト)を自宅に招き、家庭料理を一緒に食べながら2〜3時間の交流をする「世界中の旅人と食卓を囲むホームビジット」という事業を行っています。
異文化に対する強い興味を持つ旅行者と、異文化に触れる機会が少ない生活者。両者をマッチングし、そして短時間でもお互いに共感的理解を実現しやすい、同じ釜の飯を食うことで、個々人が気軽に、そして継続して異文化コミュニケーションの機会を得ることができる仕組みです。
この活動を通して、文化の異なる人同士がお互いを認め合い尊敬し合う「つながり」を世界中に増やすことを目指しています。この「つながり」を増やすことによって、外国人に対する思い込みや偏見、そして差別意識が減り、また日本に対する先入観が減ります。そして同時に、文化の異なる人同士の異文化理解が深まることで多文化共生社会を実現できると考えて活動をしています。
子育て世代の家族に届くステップを作るために
ママによるプロボノチーム「ママボノ」に依頼
NAGOMI VISITの活動は日本側のゲストとして、旅人を受け入れてくれる人がいて初めて実現できますが、ホストを増やすための具体的な手段をどのように広げていくのかに課題を感じていました。
特に受け入れ側のご家庭の中でも、お子さんがいらっしゃる家庭に参加をしていただきたい、さらに、受け入れ家庭の多くは東京近辺に偏重しているところ、さらに日本全国で実施できるようにしていきたい、という想いも強くなっていました。
しかし、専従スタッフ2名とも子育ての経験はまだなく、また東京近辺に住んでいることもあって、思いとは裏腹に子育て世代、そして、東京以外にどのようにしてNAGOMI VISITの活動を届けていけばよいのか具体的なステップが見えずに立ち止まってしまう状況がありました。
今回、子育て中のママによるチームでプロボノに取組むママボノの存在を知り、これまでに抱えていた課題に対して道筋がつけられるのではないか?、また、ターゲットの中心にいる子育て世代のママボノと恊働することで、次に何をするといいのかのステップが明確になることを期待し応募をしました。
ホストを増加させるために必要な課題調査を
復職を目指すママを中心に取り組む
今回のプロジェクトチームは、復職を目指すママ達のみによって編成をされました。チームは、ホームビジットの利用者数増加を図るため、外国人観光客を受け入れるホスト(旅人を受け入れる国内の協力者)をめぐる現状の課題を整理し、ホストを増加させるために具体的に以下の3つの属性についてそれぞれの調査を実施した他、その結果を踏まえて今後に向けた提案をまとめました。
【1】潜在顧客で子どものいる家庭
【2】潜在顧客で地方在住の家庭
【3】関心層でNAGOMI VISITに仮登録はしているが本登録に至っていない家庭
地域のホスト増!
積極的な広報で新規エリアのホスト獲得に
地域のホスト増を目的に、国際交流系の団体さんの事務所など全国25ヵ所にママボノメンバーが連絡をし、チラシの送付先をピックアップ。合計で650枚近くを送付し、その中からチラシを見てホストをやってみたいという反応が出てきました。
また、各地の中間支援組織を積極的に活用してはどうか? との提案から、いくつか地方のボランティア支援サイトで掲載を始めました。その結果、ホストになりたいという反応が十数件あり、札幌、福岡などこれまでにない新規エリアのホスト獲得に繋がっています。
さらに、ホストへのヒアリングの結果を受けてFacebookでのコミュニティ活性化についても提案がありました。これまでに手がかけられていなかった、実際に受け入れをしたホストの感想、参加をした旅行者の感想をNAGOMI VISITのFacebook上でどんどん発信することで受け入れを検討している人の参考情報を提供できるようになりました。
その他登録のマッチングフローの改善案は、今後、システム改善につなげていきます。
プロジェクトのその後(支援先団体からの声)
NPO法人NAGOMI VISIT
代表 楠さん、副代表 真田さん
今回、ママボノチームとの取組みについて、ビデオメッセージを頂戴しました。
以下、ご覧くださいませ。
※掲載内容は2016年5月時点のものです。