社会参加オープナー
創設から第1期養成プログラム開講までの記録
時系列でみる、社会参加オープナーの誕生から第1期までの流れ
認定NPO法人サービスグラントによる、団体と新たな担い手とをつなぎ、社会課題の解決と新たな担い手の参加機会の創出を同時に実現するスペシャリストを育てる新資格制度「社会参加オープナー」は、どのようにして生まれたのか。ここでは、時間の流れに沿ってご紹介していきます。
2022年 7月
認定NPO法人サービスグラントの理事会におけるディスカッションの中で、サービスグラントが今後歩むべき方向性、取り組むべき新規事業の考え方などについて議論が交わされました。
「サービスグラントがこれまで培ってきた、社会課題の現場とプロボノワーカーとをつなぐ手法を、もっと普遍的な形で社会に広めることが求められているのではないか?」といった理事の意見から、プロボノを軸としながらも、プロボノに間口を狭めず、サービスグラントが取り組んできたコーディネートの手法を抽象化・展開していくようなことが事業化できるかどうか、検討に着手しました。
2022年 12月
認定NPO法人サービスグラントの年次総会(12月2日開催)において、新資格制度の創設に向けた検討に着手することを承認し、同12月27日に、第1回「新資格制度創設準備委員会」を開催しました。
委員長 | 堀田 聰子 氏 | 慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 教授 |
委員 | 川北 秀人 氏 | IIHOE [人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 |
委員 | 木下 紫乃 氏 | 株式会社 HIKIDASHI 代表取締役 |
委員 | 東郷 琴子 氏 |
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社 |
委員 | 中村 天江 氏 |
公益財団法人 連合総合生活研究所 主幹研究員 認定NPO法人 サービスグラント 理事 |
委員 | 服部 真治 氏 | 医療経済研究機構 研究部主席研究員兼総務部次長 |
委員 | 増田 典生 氏 | 株式会社日立製作所 サステナビリティ推進本部 主管 |
※ 委員のお名前は50音順です。各委員の所属・役職等は2022年12月時点の情報に基づきます。
2023年 1~3月
委員会の開催と並行して、サービスグラントでは下記の皆さまにご協力いただき、ヒアリング調査を行いました。
● サービスグラントのプロボノ経験者
● 中間支援組織(社会福祉協議会等)のコーディネーター
● パラレルキャリアやライフシフトに関心をもつ一般社会人(プロボノ未経験者)
それぞれのグループからは下記を一例とした数多くのコメントをいただき、新資格制度の構築に向けて大変貴重な参考とさせていただきました。
● プロボノ経験者の声
「何度かプロボノ経験を積んだ人にとっては、次のステップのひとつになる」
「ビジネスのプロジェクトマネジメントとは何が違うのか?にフォーカスしたプログラムになるとよいのでは」
「資格取得者の集まりがコミュニティとなって勉強会を開催したり、新たにつながっていく土台となる仕組みになるとよい」
● 中間支援組織の声
「新任や異動などでコーディネーターとなった職員は地域支援経験が少ないので、今回のようなプログラムに参加することで知識と自信をつける機会になると思う」
「新任コーディネーターの教育的立場にある職員にとっても、意識合わせができることになり有難い」
「個人と団体を結びつけようとするときに大事なことを学んでもらえる場になる」
● 一般社会人(プロボノ未経験者)の声
「プログラムへの参加を検討する際、自分が信頼できる何らかのフィルターが入っていて、自分の関心あるテーマがあれば参加に踏み出せそう」
「NPOの代表者などに直接話を聞いて、活動の熱量などを感じる機会がほしい」
「そもそもNPOのことをよく知らないので、基礎知識がパッケージとなった教育プログラムは役立つと思う」
2023年 4月
最終の委員会を開催し、ブラッシュアップした新資格制度案を提案しました。
委員の皆さまからは、異口同音に、まずは第1期を回してみて、その感触をもとに、次のことを考えるとよいのでは、といったコメントをいただきました。
2023年 5月
新資格制度の名称を「社会参加オープナー」とし、その養成プログラムを新規事業として開始することを、認定NPO法人サービスグラントの臨時総会(5月24日開催)にて合意しました。
社会参加オープナーのロゴやイラストなどを試行錯誤を重ねながら制作を進め、養成プログラムの開講に向けた準備を進めました。
2023年 7月
社会参加オープナー養成プログラムの第1期は、サービスグラントのプロボノ経験者を対象に限定的に行う試験的開講とした上で、社会参加オープナー養成プログラムの告知活動をスタートし、参加者を募集しました。
2023年 9月・10月・11月
参加者の皆さまに向けて養成プログラムの導入的な内容をお伝えする「基礎講座」動画を作成・公開するとともに、1日間の集合型で行う「実践講座」を3回にわたって開催しました。
実践講座開催日 | 開催場所 | 参加人数 |
9月23日(土) | サービスグラント東京事務所(渋谷) | 12名 |
10月14日(土) | オンライン(Zoom) | 11名 |
11月19日(日) |
ドーンセンター(大阪・天満橋) + オンライン(Zoom) |
10名 |
2023年 12月
養成プログラム参加者による交流会を開催しました。
もともとボランティアとして関わっていたり、個人的な伝手のある団体に対して、プロボノとの協働を呼びかけたり相談を受けたりして、プロジェクトの創出につなげようとしているケースが生まれようとしていました。
一方で、社会参加オープナーをめざす人の多くが、団体の掘り起こしや関係構築が容易なことではなく、プロジェクトの創出に苦戦している状況も共有され、実践したからこその悩み、迷いなどをみんなで受けとめる場となりました。
● 社会参加オープナー養成プログラム参加者の声
「もともと自分が長く関係性のあった団体でも、いざプロジェクト募集記事を作成しようとすると想定以上に内容調整に時間がかかった」
「プロジェクト化してひと安心したが、その後新しい担い手とのマッチングに至るまでのコーディネートの難しさを感じた」
「忙しい団体さんはプロジェクト記事の下書き作成すら大きな負担。そうしたケアを、自分がつなぎ手としてどこまでできるとよいのだろうかと悩んだ」
また、この場での相談がきっかけとなり、参加者どうしのアドバイスや情報提供を活かして、後日プロジェクトのマッチングにつながったというケースも生まれ、参加者コミュニティの大切さを実感することとなりました。
2024年 1月
社会参加オープナーとして認定を希望する参加者から、初となる実績申請を受け付けました。
その中から、まずは1名の方が、社会参加オープナーとして正式に認定されました。
2024年 3~4月
社会参加プラットフォーム「GRANT」上に、社会参加オープナーを紹介するページを公開しました。
また、社会参加オープナーが、協働する団体の一員として、新しい担い手の募集記事を団体に代わって作成し、プロジェクトの運営を担当することができる新機能がリリースされました。
こうした機能開発により、社会参加オープナー認定者および実践講座受講修了者が団体の支援ニーズの発信をしやすい環境が整いつつあります。
現在の社会参加オープナー認定者ならびに実践講座受講修了者は下記ページよりご覧いただけます。
社会参加オープナー認定者 および 実践講座受講修了者 一覧はこちら
社会参加オープナー養成プログラム第2期の開催スケジュール・参加申込などの詳細は、下記の通りです。