不確実性の高いVUCA時代、企業が抱える人材は、社会のニーズの変化を敏感に感じ取り、自ら状況に適応した課題解決力を発揮できる自律型へと変化することが求められています。
しかし一方で、固定化された組織の役割や枠組みから飛び出すことへの『恐れ』や、事業を推進する上で『失敗』を許容されない空気感が、社員一人一人の挑戦への意欲も低下させているといわれています。
ビジネスパーソンが持つスキルを活用し、NPO・地域団体の基盤強化を目的に個人で参加するボランティア、プロボノは、そのような『恐れ』や『失敗』を乗り越える挑戦の機会としても、多くのビジネスパーソンから実感していただいています。
実際にサービスグラントが提供するプロボノプロジェクトを経験されたビジネスパーソンからは、以下のような自らの変化を実感するコメントが寄せられています。
「最初は自分に何ができるのか、役に立てるのか不安しかなかったが、意外に通用することもあり、支援先に喜んでもらえた充実感が自信に繋がった」
「普段の仕事とは異なるNPOやメンバーと協働しながら成果を目指す越境経験は、自分の当たり前を見直すきっかけになった(会社の肩書きを外したフラットな関係なので、会社では見えなかった自身の多面性を見直すことにつながった)」
「ボランティアという自律性が求められる環境では、半歩前に出て自ら動く必要性、お互いを理解していくことの重要性を感じた」
これらはプロボノが個人の可能性を拓く起点となることを示唆しており、「自ら考え、学び、必要な人材と共創しながら、いくつもの壁を乗り越え課題解決に向けて挑戦し続ける」といった自律型人材に成長する一歩を歩み出していると考えられます。
昨今、これからの時代における人材育成については、#越境学習 #エンゲージメント #アンラーニング #リフレクション #ジョブクラフティング #EQ(感情指数) など、様々なキーワードで語られています。
本イベントでは、これらのキーワードから特に「越境学習としてのプロボノに期待される効果」についてフォーカスし、アカデミックと企業人事の現場の二つの視点から発表していただき、後半は人材育成のプロによるファシリテーションのもと、さまざまな立場の人たちに集まっていただき議論を交わします。
人材育成としてプロボノの導入に興味のある企業の人事・人材育成の担当者や、社会セクターへの越境によって起こる人の変化を知りたい方など、多くの方のご参加をお待ちしています。
ゲスト
石山 恒貴(いしやま のぶたか)氏
法政大学大学院政策創造研究科教授
一橋大学社会学部卒業、産業能率大学大学院経営情報学研究科修士課程修了、法政大学大学院政策創造研究科博士後期課程修了、博士(政策学)。NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事、人事実践科学会議共同代表、一般社団法人シニアセカンドキャリア推進協会顧問、NPO法人二枚目の名刺共同研究パートナー、フリーランス協会アドバイザリーボード、専門社会調査士等。
主な著書:『越境学習入門』(共著)日本能率協会マネジメントセンター、『日本企業のタレントマネジメント』中央経済社、『地域とゆるくつながろう!』静岡新聞社(編著)、『越境的学習のメカニズム』福村出版、『パラレルキャリアを始めよう!』ダイヤモンド社、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(共著)ダイヤモンド社、Mechanisms of Cross-Boundary Learning Communities of Practice and Job Crafting, (共著)Cambridge Scholars Publishing. 主な論文:Role of knowledge brokers in communities of practice in Japan, Journal of Knowledge Management, Vol.20,No.6,2016. 主な受賞:経営行動科学学会優秀研究賞(JAASアワード)(2020)、人材育成学会論文賞(2018)等
中村 佳央(なかむら よしお)氏
Twitter Japan株式会社 リージョナル・ラーニング・リード
日本マイクロソフト、アマゾンジャパン等を経て、2019年Twitter Japan株式会社入社。 日本と韓国の営業及びマーケティング組織に所属する社員向けの人
モデレーター
株式会社Hyper-collaboration 代表取締役 吉田裕美子氏
組織開発、EQコンピテンシー開発コンサルタント
野村総合研究所、コーニングケーブルシステムズ、CitiBank を経て独立。外資系のIT 部門からフリーランスのエンジニアへ。人の働く環境をより良くすることを目指して、テクノロジーの活用を推進してきたが、企業の中で真に人財が活かされ、組織が繁栄するためには、IT システムだけでは不十分であると実感し、「組織と人の開発」に専門を移行。
2013 年教育のためのTOC のNPO 法人化に伴い理事に就任。同年株式会社ジョイワークスを創業。2020 年株式会社Hyper-collaboration を設立。デジタル環境を活用し、誰もが自分らしく強みを発揮できるマネジメントを社内外で支援中。EQ アセッサー、プラクティショナー。
嵯峨 生馬(さが いくま)
認定NPO法人サービスグラント 代表理事
株式会社日本総合研究所に入社後、研究員として官公庁・民間企業とともにIT活用、決済事業、地域づくり・NPOなどに関する調査研究業務に従事。2005年、サービスグラントの活動を開始。2009年にNPO法人化し、代表理事に就任。ソーシャルセクターの実践的ニーズに応えるプロボノプログラムの企画・開発をはじめ、企業・行政・財団等、幅広いセクターとの協働を通じた新規性の高いプロジェクトの創出・展開に数多く携わる。あわせて、講演等を通じたプロボノの普及啓発活動や、海外のプロボノ団体との国際的交流にも注力している。
著書に『プロボノ〜新しい社会貢献 新しい働き方〜』(勁草書房)等。
概要
日時: 2022年4月20日(水) 15:00~16:30
場所:オンライン(Zoom)
対象者:
- 企業の人事/人材育成/CSR/CSV担当者
- 企業の管理職の方
- プロボノとキャリアについて興味のある方
- 本イベントテーマに関心のある方
参加費:無料 ※要事前申込み
こんな方にオススメ:
- プロボノなどの越境経験を人材育成の施策として導入することに関心がある
- 社員の自発性、部門を超えた積極的な行動を引き出したいと考えている
- 失敗を恐れず、課題解決にチャレンジできる人材を育てていきたい
- これまでの経験を会社外でも役立たせることでエンゲージメントを高めたい
- 自分のキャリアを自律的に組み立て、意味づけられる社員にしていきたい
- 企業として越境学習の効果を最大化する方法を知りたい etc
イベント内容
Session1 越境最前線 企業の自律型人材育成とプロボノ
3月に『越境学習入門 組織を強くする「冒険人材」の育て方』を上梓されたゲストの石山先生から、企業が抱える人的な課題解決の選択肢として急激な広がりを見せている越境学習の現状や、「越境学習者は2度死ぬ」に表現される課題点や対応策など、越境学習にまつわる現状と今後の展望についてお話いただきます。
また、昨年から企業ミッションを体現できる人材育成を目的に戦略的にプロボノの導入を企画されたTwitter Japanの中村さんから、社員のエンゲージメント・リテンションの向上、能力開発など、当初期待していた副次的効果など、今、どのように評価されているのか。現時点での感触と今後の更なる可能性についてお伺いします。
Session2 座談会
法政大学の石山先生、Twitter Japan中村さんを中心に、VUCA、with コロナなど環境変化の目まぐるしい中での企業の人材育成について話します。
テクノロジーが支える自律分散型社会へ向けて、大手企業などの戦略人事、イノベーション人材育成、リーダーシップ開発、情報設計、プロジェクト推進支援などの各種コンサルティングを実施。
チームマネジメントや感情指数(EQ)サービス提供も行っている。
【問い合わせ先】
サービスグラントは、「社会参加先進国へ」を旗印に、仕事の経験を活かしたボランティア”プロボノ”のプログラムを、行政・企業など多様な主体と共に企画・運営。多様な経験とスキルを持つ人々の社会参加と、多くの社会課題解決のために「プロボノ」の普及に取り組んでいるNPO法人です。2021年末時点で、1,100件以上のプロジェクトに4,400名を超える社会人が参画しています。