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ダイジェストレポート「まちづくり応援 はじめの一歩」
2024年秋の新プロジェクト発表会

 

2024年9月7日に開催した新プロジェクト発表会「まちづくり応援 はじめの一歩」より、町会・自治会を支援するプロジェクトの醍醐味をお伝えする、身近な「まちの課題」に触れるkey note & 経験者トークセッションの内容をダイジェストでレポートします。

 

目次

身近な「まちの課題」に触れる key note
 認定NPO法人サービスグラント 代表理事 嵯峨生馬
経験者トークセッション

 

 

身近な「まちの課題」に触れる key note

 

 

嵯峨:皆さん町会・自治会というと、お祭り、回覧板といったイメージが多いでしょうか。中には、町会費は払っているけれど、具体的なイメージがないという方もいらっしゃるかもしれません。

サービスグラントは大きく非営利組織の基盤強化を支援しています。NPO法人と町会・自治会は大きく異なるのでは?という考え方もあるかと思いますが、町会・自治会は、下の図でいうと、地縁型かつ共益型の非営利組織の一形態として考えていくべきだと思っています。地縁型とは文字通り、お隣近所だからという理由で組織がつくられているということになります。また、共益型とは、町会・自治会の会費を払った人が受益者となり、支援や活動への参加権限があるというような形態の組織のことをさします。

 

日本では、急速に人口減少が進んでおり、また家族の姿や暮らしのあり方も変わってきています。都市部で言えば超高齢社会となっていて、特に東京では一人暮らしの高齢者世帯80万世帯以上。もう少しで100万世帯になるだろうと言われています。孤立・孤独と高齢化は、実は掛け合わせていけばいくほど問題は難しくなっていきます。

ただ、日本では、「困ったときはお互いさま」という心が、多くの人たちの中に根付いていると思います。それは、町会・自治会が持っている考え方の根っこでもあり、会費を払っている人たちに向けた活動という建前はありつつ、公益的側面もあり、地域全体をなんとか守っていこう、住みやすい地域にしていこうという思い・動きがあると感じています。一例を挙げると、昨今、孤独死なども問題になっています。誰にも気づかれずに亡くなっていったみたいなことがないように、気づく人が近所にいるまちであれば、それだけ助かる人も増えますし、まち全体に安心感が生まれます。町会・自治会は社会のセーフティーネットとしての役割を担っているとも言えます。

 

いちばん身近な地域で地域づくりに関わるのは町会・自治会であり、一方、課題が専門的になったり、複雑になると、テーマごとの活動団体やNPOといった組織にお世話になることもあり、非営利組織を多層的に捉える必要があります。その第一段階、町会・自治会は、一人ひとりにとってもっとも身近な場所にあるという意味で、実は非常に重要な存在です。

町会・自治会にできることは、実はたくさんあります。これまでにプロボノ支援で関わってきた町会・自治会でも、例えば町会で高齢者の見守りや防災訓練をやったり、災害弱者の方の支援計画を作っていたり、子どもや子育てという分野においては、下校時や学童保育が終わった時間帯、夕方のちょっと暗くなる時間帯に町会の方たちが見守りをしている、という事例もあります。さらには、地域の大人たちが先生になって、子どもたちに仕事のことを教えてあげる「地域学習」であったり、また、外国籍の方や新住民が増えるなかでのつながり創出も、町会・自治会のできることです。

 

もちろんすべての町会ではありませんが、やっている町会はいくつか出てきていて、そこにはすごく可能性を感じます。そんな、町会・自治会に、第三者、ある意味“よそ者”であるプロボノワーカーがご一緒することで、どんな新たなものが生み出されるのか。そんなことにチャレンジするのが、今回の「まちの応援プロボノプロジェクト」であると考えています。

経験者トークセッション

 

山田 京子さん

まちの応援プロボノチーム:2023年度立川一番町東団地自治会(自治会の在り方検討、担い手発掘のための住民ニーズ調査)、2021年度南新井自治会(イベント企画立案・フロー整理)

 

吉田 健太さん

情報発信講座 LINEコース:鷺宮四丁目町会、都営井之頭四丁目アパート自治会

去年プロボノ初挑戦。去年の経験を踏まえて、今年も2回目のプロジェクトに参加中。

 


 

――プロジェクト参加のきっかけは?

山田さん:製薬業界に務めていて、日々大きな市場を見る仕事をしているなかで、社会を変えていくことにどう関わっていけるだろうかと定期的に考える機会があるのですが、自分が影響できる範囲はそんなに大きくないと思うことが多々あります。その中で、まずは自分が影響を及ぼすことができるものをと考えたとき、一番小さな共同体は身近なコミュニティだと思いました。一番小さいというと家族もありますが、もう少し範囲を広げたものとして、住民が自分たちの環境をよくしようと考えているグループに関心があり、町会・自治会支援のプロジェクトに参加しました。

 

吉田さん:僕は自分が小さい頃、生活の中で、地域の交流が結構あったイメージがあって、夏祭りもそうですけれど、近所のおじさんとかお兄ちゃん、お姉ちゃんが結構面倒見てくれていたんですよね。そういう地域のコミュニティがすごく好きで、メンタルも安定していたように思います。東京は特に難しいのかもしれませんが、自分が住んでいるところも今はそんなに地域の交流が見られないなと思っていて。ちょうど僕が広告代理店でヘルスケア業界のコミュニケーションの課題を解決する仕事をしているので、少しでも自分のスキルや経験が、地域のコミュニケーションの課題解決に役立てばいいなと思い、参加しました。

 

――参加時に不安はありましたか?

吉田さん:プロボノのプロは、プロフェッショナルのプロじゃないというのは理解しているんですけれど、果たして自分が本当に役に立つのかは結構不安で。また、本当に仕事と両立できるのか、その二つの不安がわりと大きかったですね。

 

――やってみていかがでしたか?

吉田さん:全然大丈夫でした。サービスグラントの方々からも大丈夫とお話をいただいていたので、始める頃には不安も小さくなっていましたが、実際やってみると、基本的にここに参加する人たちって「誰かのために何かしたい」とお互い様の精神で、みんなで一緒にやろうよっていう考え方なので、できることは自ら進んで積極的にやるけれど、できないことは積極的にみんなに任せながらやっていこうというのがあると思うんです。なので僕も、講座型でしたが、他の参加されているプロボノの方といろいろ相談したり、事務局のサポートもあって、不安なく達成することができました。

 

――(特に町会・自治会と関わるなかで)参加して良かったことは?

山田さん:実際に町会・自治会の皆さんと打ち合わせを重ねていくなかで、途中までは「自分たちは依頼したんだから、プロボノワーカーさん頑張ってね」みたいな方がいらっしゃる場合もあると思うんですけれども、だんだん話していくと、やっぱり自治会の皆さんも自分たちがやりたいことをお手伝いしてくれてるのがプロボノなんだと気づかれて、役割分担の重みが変わってくることも実感しました。

また最後の成果提案では、自治会の皆さんからも次々にアイデアが出てきたり、またそのアイデアをどうやって実行していくかっていうところも自治会の皆さんがリードされたり。また、今回提示していただいた自治会とは別の自治会のプロジェクトでは、プロジェクト後に実際にイベントを実施されて、本当に当初やりたいと思われていたことが形になるところまで実際に見ることができたので、そういった時にサポートできてよかったなと思いますし、本当に自分もその自治会の一員のような気持ちで最後まで併走できたのがすごくよかったなと思います。

 

吉田さん:やはり、自分のスキルが意外と役に立つんだと、やってみて気づいたことが結構あって、それを町会の方々にすごく有り難がってもらえたのがすごく良かったなと思っています。最終的にはLINE交換しようよ、写真撮ろうよって言っていただけて。自分もこの方々の一員になれたのかなと、僕も感じて、それはすごく自分のモチベーションになりました。

 

――大変だったこと、工夫したポイントは?

山田さん:プロボノワーカーが支援先団体に役に立てるところの一つは、話を整理しながら会議を運営するスキルだと感じます。今日の目的は何で、最終的にどういったところを実現したいと思って、私たち集まってるんでしたっけ?っていうのは、業務上の会議を運営するのと同じような感じで、自治会の皆さんに分かりやすい言葉に変換しながら、毎回最初にパワポなどで提示しながら、自治会の皆さんを巻き込み目線を合わせていくというのは工夫したところだったと思います。

 

吉田さん:僕は公式LINEアカウントを作る講座型のプロジェクトでしたが、僕が実際に自分の手で作ったことがなかったので、町会の皆さんと同じ目線に立つためにも一旦自分で作ってみたことで、行き詰まるポイントなどが事前に分かって、スムーズなサポートにつながったと思います。

 

――プロボノ活動を通じて、町会や地域活動への印象は変わりましたか?

山田さん:かなり大きく変わりました。私自身が自治会が何をしているのかわからなかったのですが、一方で自分たちが住んでいる地域を良くしていこうという熱い思いを持って動かれている自治会もすごく多いこと、また、ちょっとした手助けで、その思いが実現し形になるところを目の当たりにし、本当に形にする一歩手前までお考えを深めている自治会の方が多くいることを実感しました。

ぜひ一度チャレンジいただいて、その中から自分の得意なことでサポートしていければいいと思いますし、最終的には一緒になってやっている感覚をきっと経験できると思います。

 

吉田さん:僕も閉鎖的、保守的なイメージがあったのですが、実際にはオープンな方も多いし、何か新しいことやってみたいんだけど、何をすればいいか分からないといった方も多かったです。また、町会ってなんとなくやらされてる感がある人の集まりかなと思っていたんですけれど、すごく自ら楽しんでやっている方も多くて。だからそこは少しの手助けですごく動き出すし、サポートできる余地がたくさんあると思いました。

プロボノ参加にあたっては、自分ができそうなことはやるけど、できないことはどんどん助けてもらう。そんなカジュアルな気持ちで一歩踏み出せば、すごく楽しい充実したプロジェクトができると思います。

立候補受付期間・プログラム概要

身近なまちづくりに取り組む町会・自治会を応援するプロジェクトへの参加者を募集中です。

今回は、「こんな時だからこそ!」と、人のつながりづくりや防災力UP、新しい情報発信、持続可能な新しい町会・自治会運営のあり方検討など…様々なチャレンジを行う町会・自治会の取り組みをプロボノで支援します。

身近な「まちのテーマ」に触れ、まちとつながり、まちを元気にしていくための町会・自治会の支援を通じて、東京のまちづくりに一歩踏み出してみませんか?

 

立候補受付期間:2024年9月7日(土)~9月16日(月)【立候補受付期間は終了しました】

 

プログラム概要

1.まちの応援プロボノチーム[40名程度募集]

東京都内の町会・自治会のプロジェクトについて、それぞれ5名前後のプロボノチームでの支援を行います。3-4カ月をかけて、各町会・自治会が活用できる成果物を目標に、じっくりと支援先の課題に向き合いながら取り組む、スタンダードなプロボノプロジェクトです。

〈支援先団体〉
・殿ヶ谷自治会(西多摩郡瑞穂町)

・落合町会(八王子市)

・金森三丁目町内会(町田市)

・長峰・杜の一番街自治会(稲城市)

・岩戸町会(狛江市)

・クレストフォルム平井グランステージ自治会(江戸川区)

・下丸子三丁目町会(大田区)

 

2.まちの情報発信講座[12名程度募集] ★簡易登録でも立候補可

事務局が実施するホームページ制作講座、LINE活用講座当日に町会・自治会の皆さんと一緒に出席し、第三者視点での情報整理や操作サポートの支援をします。コロナ禍を経てオンラインでの情報発信がさらに重要となり、大変ニーズの高いプロジェクトです。

※月1回×3カ月の講座当日に出席いただければ、講座間のチーム作業等はありません。

※ホームページは無料ツール「Googleサイト」を、LINE活用はLINE公式アカウントを使用します。事前に勉強会または動画資料を用意しますので、使用経験のない方も参加いただけます。

 

立候補方法:

9月7日(土)~9月16日(月)の期間に、マイページより立候補いただけます。

【立候補受付期間は終了しました】

https://www.servicegrant.or.jp/login/