サービスグラントが企業と協働したプロボノプログラムを開始したのは2010年です。欧米を中心として、法曹業界におけるプロボノ活動がメインストリームであったフェーズから、今や、幅広い業種において、各社それぞれの戦略、文脈の中にプロボノ活動が位置付けられ、多様な広がりを見せています。
本ページでは、プロボノにおける草分け的存在として、5,000名以上、1,300件を超えるプロボノプロジェクトの運営経験を持つサービスグラントに日々寄せられるご質問の中で、特に、企業のご担当者の視点から寄せられる質問を中心にご紹介をしていきます。
CSR、サステナビリティ推進、SDGs推進をはじめ、人事部、人材開発部、総合企画戦略部など、多岐に渡る部門のご担当者からのお問い合わせの中でも、共通して皆さまが知りたいとお考えの内容に絞って掲載をしています。本ページに掲載のない質問、さらに詳しいご案内、情報提供をお求めの場合には、下記の「お問い合わせはこちら」からお気軽にお問い合わせください。
自社でのプロボノプロジェクトの推進、他社とのコラボレーションによるプロボノプロジェクトの推進のご検討の参考となれば幸いです。
FAQ
Q1 参加する社員に必要なスキルはありますか?
A1:プロボノ活動に参加するために特定の専門性を必要とするわけではありません。重要なのは、異なる業種や職種においても応用可能な「ポータブルスキル」です。これには、論理的思考力、プレゼンテーションスキル、コミュニケーション能力、問題解決能力、交渉力などが含まれます。これらのスキルは、日常業務で培われるものであり、プロボノ活動を通じてさらに磨きをかけることができます。営業、マーケティング、開発、事務、経理など、様々な職種の社員が参加し、互いの強みを活かしながらチームで成果を出しています。
Q2 支援先団体の活動分野は?
A2:サービスグラントでは、特定の分野に限定せず、幅広いニーズに対応しています。多くの支援先団体は、SDGsに関連する活動を行っており、企業のCSR戦略や社会貢献活動と連携しやすい特徴を持っています。企業が重視する「次世代教育」「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」「貧困格差」などのテーマに沿った団体をコーディネートすることも可能です。これにより、社員のモチベーション向上にも寄与します。
Q3 各企業がプロボノを導入する大きな理由は何でしょうか?
A3:企業がプロボノ活動を導入する理由は多岐にわたりますが、主な動機としては「企業市民としての社会貢献」「社員のCSR・SDGs実践機会の提供」「人材育成」「課題解決能力の向上」などがあります。また、採用活動における社会貢献のアピール、株主への説明、社員のリテンション向上、グループ企業間のネットワーク構築など、企業の戦略や目的に応じて様々な形でプロボノ活動が活用されています。
※参考として、サービスグラントが協働させていただいた国内企業の取り組みをお話いただいたイベントレポートや、各社からの情報発信をリストアップしています。こちらからご覧ください。
Q4 プロボノに参加する社員の社歴、年齢構成はどのような傾向がありますか?
A4:参加する社員の社歴や年齢構成は、企業のプロボノ活動へのアプローチによって異なります。CSR活動の一環として広く社員に開放する場合は、年齢や社歴に関わらず多様な層からの参加が見られます。一方で、人材育成の観点からプロボノを活用する場合は、特定のキャリア段階にある社員(例:中堅社員、次期リーダー層)を対象にすることが多いです。どちらのアプローチも、社員のスキル向上やモチベーションアップに寄与するとともに、社会貢献への意識を高める効果が期待できます。
Q5 社員がプロボノに参加する平均的な時間や標準的なプロジェクトの規模は?
A5:過去の参加者のアンケートによると、社員は週に平均3-5時間をプロボノ活動に費やしています。この時間には、リサーチ、関係者とのヒアリング、チームミーティングなどが含まれます。プロジェクトの規模としては、参加人数が10名から50名程度、期間は2ヶ月から6ヶ月が一般的です。これにより、社員は本業とプロボノ活動をバランス良く両立させることができます。
参考:サービスグラントの協働先企業様 プロボノに関わる取組みと情報発信
- サービスグラント 企業との取り組み
- [1000件達成記念] 企業CSRのキーパーソンが語る、企業プロボノ導入の実感
話題提供:パナソニック株式会社、株式会社日立製作所、住友商事株式会社 - 【開催レポート前編】企業が取組むプロボノ最前線 – 国内初 8社横断意識調査報告と導入事例 –
- 【開催レポート後編】企業が取組むプロボノ最前線 – 国内初 8社横断意識調査報告と導入事例 –
話題提供:SAPジャパン株式会社、SMBC日興証券株式会社、住友商事株式会社 - 越境学習と経営革新 プロボノがもたらす企業価値向上のための先駆的取組み
話題提供:小林製薬株式会社、富国生命保険相互会社、株式会社三井住友フィナンシャルグループ
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パナソニックグループ
- Panasonic NPO/NGOサポート プロボノ プログラム
- 「Panasonic NPO/NGOサポート プロボノプログラム」10周年アンケートレポート「プロボノのススメ」 2022/01
- 2015年度「Panasonic NPOサポート プロボノ プログラム」
参加者への調査からのご報告 – 本業における協働、主体性、組織への愛着を高める
前編 後編
- 日立グループ
- 社員と社会をつなぐ「プロボノ」2018 – 2019
【第1回】NPO支援という社会貢献
【第2回】社員を巻き込めるCSRへの取り組み
【第3回】てこの原理が生み出す、たくさんの社会貢献
【第4回】日立が始めた、2カ月のプロボノ
【第5回】“明後日のメシのタネ”を探す
【第6回】日立の社会イノベーションと、プロボノの関係
【第7回】日立のエンジニアが目にした、NPOの真の姿
【第8回】プロボノのリーダーがつかんだ、マネジメントのあるべき形
【第9回】人事部長、プロボノに飛び込む。
【第10回】プロボノで、「二毛作人生」の準備を。
- 続・社員と社会をつなぐ「プロボノ」 2022/03
【第1回】サステナビリティ推進活動の担当者は、コロナ禍をどう乗り越えたのか
【第2回】NPOと向き合った、日立社員の2カ月半
【第3回】プロボノ支援が、NPOにもたらすもの
【第4回】プロボノに伴走する理由
- 社員と社会をつなぐ「プロボノ」2018 – 2019
参考:世界の企業プロボノ
参考:プロボノにまつわる文献・参考資料
【書籍】
- 「プロボノ 新しい社会貢献 新しい働き方」 嵯峨 生馬著 勁草書房 2011/04
- 「社会貢献でメシを食う。」 竹井 善昭著 ダイヤモンド社 2010/09
- 「社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門」 駒崎 弘樹著 PHP新書 2015/12
- 「どこでも誰とでも働ける12の会社で学んだ “これから” の仕事と転職のルール」
- 副業、ボランティア、プロボノ活動でスキルを知る – 尾原 和啓著 ダイヤモンド社 2018/04/19 - 「地域とゆるくつながろう! – サードプレイスと関係人口の時代-」 石山 恒貴著 静岡新聞社 2019/10
- 「マンガでわかる ちょこっと社会貢献」上村彰子/深山 雪男著、嵯峨 生馬 監修 小学館 2023/03
【論文・専門誌】
- 藤澤 理恵氏
仕事とボランティアを越境するプロボノの学び
– 贈与と交歓を志向する情動的ジョブ・クラフティング –
- 中村 天江氏
2020年を、「社員ボランティア」レガシーづくりの年に!
(ボランティア活動とキャリア展望などの相関について記載)
【学術的調査】
- 日本生命財団 高齢社会実践的課題研究助成 2021/10 – 2023/09
会社人から社会人へ – シニアプロボノが拓く地域社会 –
津田塾大学 森川美絵、伊藤由希子 / 神戸大学 片桐恵子 / 認定NPO法人サービスグラント