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学生参加・学術連携によるプロボノのイノベーションを探る

2023年12月2日(土) に開催した、「グローバル・プロボノサミットTOKYO 2023」未来セッション 「未来をつくる、イノベーティブなプロボノのカタチ」では、「学生×プロボノ」の連携をテーマに、未来社会への投資につながる世界各国のモデルについて焦点を当ててイベントを実施しました。全体セッションで行った登壇者全員によるショートプレゼンテーションの内容をお伝えします。

 

会場:明治学院大学 白金キャンパス

 

目次

テーマ1.東南アジアにおける、学生参加型のプロボノモデル ~ 新たな挑戦・新たな機会

    • Jia Chuan Kwok 氏(シンガポール/アメリカ・Conjunct Consulting)
    • Ada Chirapaisarnkul 氏(タイ・TYPN)

テーマ2.ヨーロッパにおける、プロボノによる若者のエンパワメント ~EU政府・フランスにおける大学との連携プログラムの事例~

    • Maria Carracedo 氏(フランス・Pro Bono Lab)
    • Andrea Sanchez Angulo 氏(スペイン・Work for Social)

テーマ3.若者のためのプロボノと教育の国際ネットワークの構築と、国際交流機会の創出に向けて

    • Yang Jing氏(中国・北京プロボノ基金)

テーマ4.社会調査の可能性 ~ 社会科学とプロボノとの学際的コラボレーション

    • 石原英樹 氏(明治学院大学)、嵯峨生馬(サービスグラント)
    • Mina Lopezlugo 氏(メキシコ・Pro bono Venture)

テーマ 1 
東南アジアにおける、学生参加型のプロボノモデル ~新たな挑戦・新たな機会~

 

Jia Chuan Kwok 氏(シンガポール/アメリカ・Conjunct Consulting)

Ada Chirapaisarnkul 氏(タイ・TYPN)

 

 

Conjunct Consultingは、シンガポールにおいて、プロボノを通して、社会的に有益な活動に取り組む団体の基盤強化をミッションとして活動しています。学生と社会人がひとつのチームになってNPOの基盤強化を支援するプログラムがあります。社会人は、専門知識を活かして財務、マーケティングなどの分野におけるスキルを提供しながら、学生への研修や面談等を通じたサポートを行っています。このプログラムは10週間以上かけて、団体のニーズに合わせた成果物を作り上げていきます。学生は社会人よりも十分な時間をかけながら、団体をサポートし、自らの学びにつなげています。

 

TYPNでは、デジタルネイティブと言われる高校生と連携した取り組みを3年前から行っています。きっかけは、コロナ禍において資金集めをデジタル化していくことが必要になったことです。現在、クラウドファンディングの会社とパートナーシップを組み、学生協働のプログラムを提供しています。1年間参加できる情熱を持った学生を選び、2週間ごとのレビューやスピーチの研修なども用意しています。プログラムで設定しているゴールは、支援した組織がクラウドファンディングなどを活用していけるようになることです。

 

プロボノ活動は、若者の成長、特にリーダー育成にとって非常に有効なツールになります。学生時代にプロボノワーカーとして参加した人たちが、その後社会人になり、次世代のリーダーとして活躍しています。

 

 

テーマ 2 
ヨーロッパにおける、プロボノによる若者のエンパワメント
~EU政府・フランスにおける大学との連携プログラムの事例~

Maria Carracedo 氏(フランス・Pro Bono Lab)

Andrea Sanchez Angulo 氏(スペイン・Work for Social)

 

 

ヨーロッパでは若者の雇用についての関心が非常に高まっています。そして、プロボノ活動は、若者の雇用能力向上に役立つと認識され、多数のプログラムが行われています。例えば、BEESEプログラムではEU政府とともに、3年間を通じ、5か国・15件のプロボノプロジェクトを実施し、約150名の参加がありました。参加した学生からは、「大学での理論的な授業よりも、この無償プロジェクトを通じて多くのことを学んだ。これまで勉強してきたことを実践できる、素晴らしい経験だった。」という声が寄せられています。

 

 

テーマ 3 
若者のためのプロボノと教育の国際ネットワークの構築と国際交流機会の創出に向けて

 

Yang Jing氏(中国・北京プロボノ基金)

 

 

北京プロボノ基金では、SDGsなどの目標を達成していくうえで若者が重要な存在になるという視点から、プロボノトレーニングのカリキュラムを作成し、実際に、高校生や大学生が課題解決策を生み出しています。

例えば、中国の南西部にあるイ族の伝統的な刺繍アーティストに対し、イ族の刺繍を情報発信したり、活性化するためのアイディアを学生が提案しました。他にも自閉症の子どもたちや、貧困地域のコーヒー農園を対象としたプログラムなど、中国全土の学生を対象に実施しています。

 

 

テーマ 4 
社会調査の可能性 ~ 社会科学とプロボノとの学際的コラボレーション

 

石原英樹 氏(明治学院大学)、嵯峨生馬(サービスグラント)

Mina Lopezlugo 氏(メキシコ・Pro bono Venture)

 

 

2022年、明治学院大学社会学部の教授陣とともに、サービスグラントは社会活動調査のプロボノプログラムを実施しました。NPOが提示したテーマに対して、社会人プロボノワーカーと大学生が社会調査を行い、報告書を提供。その一部がニュースで取り上げられるといった成果も見られています。

メキシコのPro Bono Vetureでは、社会課題において、複雑に絡み合っているさまざな要素を洗い出し、どういった支援とリソースの投入がどこに必要なのかを1年かけてリサーチし、分析し、しっかりと見極めます。そのうえで、プロボノや学生が関わり、課題解決にあたることで成果を高めています。

 

 

分科会

登壇者全員による、ショートプレゼンテーションの後、テーマごとの分科会で各国からの話題提供と質疑応答・ディスカッションを参加者とともに行いました。

 

 

 

 

 

共有・交流会

グローバルメンバーと参加者、明治学院大学の学生たちとともに、歓談を通じてセッションの振り返り交流を図りました。世代や国境を越えてこの場で生まれたネットワークは、サミット終了後のオンラインでの交流と新たなプロボノモデルの進化へと、確実につながっています。

 

 

 


 

「グローバル・プロボノサミットTOKYO 2023」その他のレポート

 

 

※「グローバル・プロボノサミットTOKYO 2023 未来セッション」 2023年 12月 2日(金)開催

会場:明治学院大学 白金キャンパス

主催:認定NPO法人 サービスグラント

共催:グローバル・プロボノネットワーク

特別協力:BMW Foundation Herbert Quandt

協力:明治学院大学社会学部 坂口緑・石原英樹ゼミ