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特定非営利活動法人 チャイルド・ファンド・ジャパン(マーケティング基礎調査)

モチベーション維持と新規会員増加に向け
現状調査と分析結果を生かした支援

 

 

支援先団体:特定非営利活動法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
プロジェクトの種類:マーケティング基礎調査
実施期間・エリア:2015年7月~2015年11月(東京)

 


 

 

寄付を基盤とした里親募集で
貧困を課題とするアジア圏の子どもたちを支援

 

チャイルド・ファンド・ジャパン(CFJ)は、43年前からアジアの貧困層の子どもたちを支援しつづけているNGOの草分けです。活動のはじまりは、1975年。社会福祉法人基督教児童福祉会が創設した国際精神里親運動部が、当時極貧状況にあったフィリピンの子どもたちのために募金を集め送金する活動からスタートしました。その後、定期的に一定額を寄付するスポンサー(里親)募集をはじめ、徐々に会員数を増やしていきます。

 

2005年に、特定非営利活動法人チャイルド・ファンド・ジャパン(CFJ)へ法人変更、チャイルド・ファンド・アライアンスという世界の子どもたちに効果的な支援を行うための国際的なネットワークに加盟。子どもたちが希望を持って成長できる世界の実現をめざして活動をつづけ、これまでに延べ5万8千人の子どもたちを支援してきました。現在(2018年7月)は、フィリピン国内に11ヵ所、ネパール国内に2ヵ所、スリランカに2ヵ所の協力センターがあり、教育や保健・栄養、子どもの保護、家族の生活改善などの様々な分野にわたって、地域全体を支援するさまざまな活動を行っています。

 

 

現状分析を元にした
支援者新規獲得のための施策を行いたい

 

CFJの基幹事業は、1975年から続けている「スポンサーシップ・プログラム」です。寄付金(毎月4,000円)は、子どもたちの制服や学用品の支給、学校納付金の補助などに使われ、支援者(里親)には「成長記録」や手紙が送られたりするなど、一対一のつながりを大切にされています。現在も約3,600名の里親に支えられて、5,000人もの子どもたちが元気に学校に通っています。

 

しかし、次第に支援者の高齢化がすすみ、収入減などを理由に年々退会者が増えているのが現状です。団体では、30〜40代の新規入会者を増やすため、Web広告やイベント開催、既存支援者からの紹介などで増員を図っていますが、目標には達しておらず、目下の課題は、「既存会員の退会抑制」と「新規会員の入会促進」となっています。そこで、プロボノワーカーには、支援者減少の要因と、新規獲得の現状を分析し、そのうえで支援者数を増加基調に転換していくために取り得る施策を導きだすことが求められました。

 

 

退会防止策と新規獲得策の提案のため
インタビューとベンチマーク調査を

 

団体のニーズを受けて、チームでは、退会者や現支援者へのインタビュー調査と、同業他団体のベンチマーク調査で現状分析を行い、具体的な退会防止策と新規獲得策の提案を行うことにしました。

 

■支援者へのインタビュー調査 

退会者を含めた会員の方々に、きめ細かいヒアリング調査を実施。みえてきたのは、支援者にとって、自分の支援が役立っていると実感できることがなにより大切だということでした。そこで、長く支援を続けてもらうためには、入会時に、支援がどのように役立っているか具体的に理解できるような施策の導入が重要であることと、さらに、現在は、「成長記録」が唯一のモチベーション維持施策となっているため、スポンサーの属性に応じたモチベーション維持の施策の導入が必要であることを提案しました。

 

■同業他団体のベンチマーク調査

新規会員獲得に向けて、複数の同業他団体の概況や成功要因の分析を行いました。それにより、他団体では、個人の社会貢献意欲、法人のCSR活動への意欲の高まりを背景に、間口の広いイベントや共感を得やすい積極的な発信による個人支援者の獲得や、法人ニーズにマッチした連携提案により、個人および法人からの寄付収入を拡大していることが確認できました。それを受けて、「個人と法人のニーズを踏まえた施策の検討」を提案しました。

 

 

モチベーションの維持を目的とした現地訪問の旅と
新規会員獲得のためのインフルエンサーマーケティング

 

■スポンサーのモチベーションを維持するための施策

チームの提案を受けて、CFJでは、8年ぶりに「訪問の旅」を開催。約30名のスポンサーを、CFJが支援する現地の協力センターに案内しました。5泊6日のツアーで費用は25万円程度(自己負担)、訪問先は3ヵ所(その内1ヵ所は任意のオプションツアー、高齢者が多かったため休養もできるようにし、ホテルは安全面を考慮して一定のグレードに設定)という内容で、実施してよかったという感想が寄せられました。

 

■エバンジェリストの育成

新規会員を増やすための施策として、団体ではエバンジェリストの育成を再認識。
新たなインフルエンサーマーケティングの一環として、郷ひろみ氏にスポンサーになってもらい、新規会員の開拓に向けて動き出しています。名前の使用はかなり制限されているとのことですが、現在も一定数の熱狂的なファンを有しているので、今後のマーケティング施策の検討や成果が期待できそうです。

 

チャイルド・ファンド・ジャパンのウェブサイトはこちら

 

チャイルド・ファンド・ジャパンのプロジェクトの様子はこちら

 

 

プロジェクトのその後(支援先団体からの声)

 

特定非営利活動法人 チャイルド・ファンド・ジャパン
コミュニケーション・マーケティング部部長 小保方 珠実さん

 

団体の課題であった「既存支援者の支援中止防止」と「新規支援者の獲得」の2つについて、アドバイスをいただきました。既存支援者さんへのヒアリングについては、コミットメントの高い方々より回答をいただいたため、中止の要因については探るのが少し難しかったです。他団体の動向については、詳しく分析していただき、大変助かりました。分析いただいた報告書を参考に、現在、新しい施策に取り組んでいます。

 

※掲載内容は2017年8月時点のものです。