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相川 智さん(情報アーキテクト)

プロボノを通して、自身のスキルの活かし場所を新たに発見

 

相川 智さん(金融系企業勤務 )
プロボノでの役割:情報アーキテクト
参加プロジェクト:ユースコミュニティ (2022年)

他業種の方との関わりを期待してプロボノに参加

 

―現在のお仕事、ご経歴をお教えください。

ウェブデザイナーからキャリアをスタートし 、ウェブディレクター、ウェブプロデューサーとして、ウェブサイトの運営・開発・制作などを全般的に担当しています。社会人になってから20年以上ウェブ業界にいます。

 

―プロボノを知ったきっかけ、参加のきっかけを教えてください。

地元の先輩と飲んでいた時に、この年になったらある程度地元に貢献しないといけないよねという話になりました。その後、いろいろと探しているなかで、プロボノという地元との関わり方があると知り、これだったら自分が持っているスキルや能力を使って地元に貢献できるのではと思い、サービスグラントの説明会に参加しました。

アカウントディレクターの方から声をかけてもらったのをきっかけに、プロジェクトに参加することを決めました。地元とは関係のないプロジェクトではありますが、これまでずっとウェブ業界でインターネットだけで完結するサービスに携わってきており、具体的な場所を持ったビジネスや事業に興味はあったものの関わる機会がなかったので、そのようなものに関わってみるいい機会と感じたからです。また、同じウェブ業界の方とであれば専門用語も伝わりコミュニケーションに困ることはありませんが、他業種の方とのコミュニケーションも経験してみたいという思いもありました。プロジェクトに参加するにあたって不安は特にありませんでした。色々な職種の方が参加しているので、そのような普段関わらない人たちと協働することへの期待はありました。

 

 

チームのおかげで自分の役割に集中できた

 

―参加されたプロジェクトについて教えてください。

ユースコミュニティさんのサイトをリニューアルするプロジェクトに、情報アーキテクトとして参加しました。ユースコミュニティさんは、経済的理由による教育格差などを是正する活動をされている団体さんで、学習支援教室などを複数運営されています。事業を拡大しより多くの学生たちに支援を届けるため、プロジェクトでは寄付者を増やすことを目的としたサイトリニューアルに取り組みました(成果物HPはこちら)。

リニューアル前のサイトは、利用者である学生向けの柔らかい雰囲気だったのですが、企業等に向け、団体の理念や活動を伝え、信頼度を高められるよう意識して提案しました。

 

―プロジェクトはどのように進みましたか。
まずは新ウェブサイトの方向性や内容、ターゲットの考え方など、チームからの提案を交えながら要件をヒアリングしました。その後、マーケティングチームが中心となってターゲットとなる企業や利用者など様々なステークホルダーにヒアリングし、情報を集めました。どのような情報設計でどのような内容を入れるとターゲットに対して効果的か、現行サイトの構造分析も行いながら検討を進め、最終的には、コピー案を実装したワイヤーフレーム、サイトマップ、クリエイティブに関わる内容等を成果物として納品しました。
私は情報アーキテクトとして、現行サイトの構造分析やリニューアルサイトの動線設計、骨組みとなるワイヤーフレームの検討などを主に担当しました。情報アーキテクトとしては特にプロジェクト後半でページ構成などの作業を中心となって進めたので、前半よりは後半の方が忙しかったです。また、フェーズに関わらず定期的にチームミーティングを行い、チーム全体で情報を共有しながら検討を進めていました。

 

団体さんとの主要なミーティングではチームで団体事務所を訪問

―普段のお仕事と異なる部分はありましたか。

仕事では、自社サービスのウェブディレクターとして取り組むことが多かったので、クライアントワークはほとんど初めての経験でした。社内の仕事であれば、私たち自身がやりたいことを考え意思決定をしますが、プロボノプロジェクトではサイトの方向性や内容についてユースコミュニティさんがやりたいことを打ち合わせでお伺いしながら検討を進めたので、ふだんの仕事とは進め方も考え方も異なりました。
また、普段の仕事では、ウェブ上で収益を上げるなど、目的としてウェブを扱うことが多かったのですが、ユースコミュニティさんのプロジェクトではあくまでコミュニケーションのための手段としてウェブを使っており、そのような考え方は新鮮でした。
一方で、現行サイトの分析やフレームワークの作成などはこれまでの仕事とも近しい内容でした。ここ最近の仕事は、メンバーが作成してくれたものを評価する立場になっていて自分で手を動かす機会が減ってしまっていたので、久々に自分で手を動かして作成できたのはとても楽しかったです。
普段の仕事ではデザイナー、ディレクター、プログラマーの3人の少数体制で進めることが多かったので 、色々な役割の人が集まり複数人でチームを組んで取り組むのも楽しかったです。様々なバックグランドを持った人の意見を聞けたのは良い経験でした。間違えているかどうかを気にせず意見を言ってくれますし、みんなが勝手に意見を言って終わりではなく、プロジェクトマネジャーの方がうまくまとめてくれたのも助かりました。普段の仕事では情報アーキテクトだけではなく幅広い役割を担う必要がありますが、プロボノプロジェクトではプロジェクトマネジャーさんのおかげで情報アーキテクトとしての役割に集中できたのでよかったです。

 

最終成果物の一つであるサイトマップ

 

新たな学びとともに、情報設計の面白さを改めて発見

 

―仕事やご自身のキャリアに活かせたことはありますか。

プロジェクトの終盤で、ウェブ専業のサービス会社から金融系の会社の開発部門に転職しました。ウェブ自体を目的としていない企業でこれまでの知見を活かし事業に貢献できるのではないかと思ったからです。

ウェブのサービス会社であれば、一緒に仕事をする相手もウェブを専業としているため文脈が共有でき、用語ひとつとってもツーカーでコミュニケーションが取りやすいのですが、全く異なる業界では、何のためにやっているのか、どうしてこれをやった方がいいのかなど、ひとつずつ説明しながら進めていく必要があります。これはプロボノでの進め方とも似ていて、ウェブの知見がないメンバーには実際に見せた方が早いということもあり、サイトマップなどで情報整理を行って見せたりもしていました。このような経験も役に立ったなと思います。

また、仕事だとやって当たり前と思われるところもありますが、プロボノだと少し違います。自分の力が本当に通用するのか、喜んでもらえるのかといったことの力試しにもいい場だと思いました。

 

―まだプロボノを経験していない人に、メッセージをお願いします

プロボノという社会貢献の仕方も新鮮でしたし、ユースコミュニティさんのような活動を知る機会にもなりましたし、他の人のプロジェクトマネジメント方法を知れましたし、とにかく学びだらけでした。また、丁寧に情報設計することの面白さに改めて気づけたのもよかったです。プロボノには、学べる環境があります。自分が経験したことがないポジションだったとしても勉強しながら取り組めて自分の成長にもつながるし、その結果が社会貢献にもつながるので、ぜひやってみてほしいと思います。

 

最終成果提案ミーティングのようす

▼プロボノでのプロジェクト参加へご関心をお持ちになった方は、こちらのページも併せてご覧ください。

▼プロボノ参加者向け説明会を随時行っています。以下より日程をご確認ください。

「プロボノ参加者向け説明会」

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