森本徳治さん [アカウントディレクター]

NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク(SPAN)業務フロー設計サービスグラントに、アカウントディレクター(AD)として参加された森本さん。
異種混合チームがうまく活動していくための秘訣とは?

プロジェクトを通して出会った方から多くを学びました。

――まずは、プロジェクト終了お疲れ様です!
ありがとうございます。先日打ち上げをしたのですが、本当に楽しかったです。実はSPANチームの共通言語は「ワイン」だったんです。メンバーに共通の趣味があったこともあり、最初から最後までワインで盛り上がり、雰囲気のよいチームでした。

――サービスグラントへ参加されたキッカケを教えてください。
私は商社に勤めているので、これまでずっと海外で仕事をしてきました。2010年にペルーから帰国して、気が付いたら50歳になっていました。今までの人生をふと振り返り、「何か社会に役立つことをやってきたのかなぁ」と。まだしていないことがあるぞと思い、探し始めて見つけたのがサービスグラントでした。

――参加されてみてのご感想はいかがですか?期待されていた通りでしょうか。
プロボノワーカーである私の方が「本当に勉強になった」というのが、まずの感想です。SPANの代表である北神さんが、本当に素晴らしい方でした。北神さんご自身が視覚障害者ですが、NPOの代表を務め、講演で全国を周り、ご自身で講師も務めているすごい方。北神さんも他のスタッフの方も、目が見えないことがハンデだとは絶対言わない。「見えなくなってから知ることができることがある。見えなくなったことでプラスになったことがある」とおっしゃっていました。晴眼者の方以上に物事をポジティブにとらえられているし、暖かいお人柄でいつも気配りをされている。そんな姿を目の当たりにして、本当に感銘をうけました。プロジェクトを終えてみると、私のほうが色々と教えてもらったという感覚です。
もちろん、視覚障害者の方とお話しするうえで、「話すときに名前を言ってから」「メールはテキストがいい」など一定の配慮の仕方を教えてもらいましたが、そのほかは全然気になりませんでした。ハンディキャップを背負っていることを感じさせないものの考え方は、自分の人生を考えるうえでもお手本にしなくてはいけないと思いました。これから私も心がけようと思ったのは、「言い訳をしない」ということです。

キーワードは「お互いさま」と「思いやり」です。

――アカウントディレクターとしてのご体験はいかがでしたか?
わたしの性格も関係するかもしれませんが、アカウントディレクターだからといって、「みなを引っ張るぞ」というスタンスではしませんでした。もちろん、大枠を作ったり方向性を示したりといったところはしましたが、そのあとはチームメンバーがそれぞれの強みを生かしてタスクを進めていきました。また何か起きても、その都度柔軟に対応して、次に一歩先に進めるように気配りしていく。それが大事だと思います。
サービスグラントのチームメンバーの背景はそれぞれ。みんな、ご家庭、本業のご都合いろいろありますし、異種混合のチームですから色々なことが起きます(笑)。でも、そういう経験をすることも大事なことだと思います。人と人がつながり、いろんな方の話を伺い、普段の仕事とは違う接点をもっていく。そこが、このプロジェクトの素晴らしいところだと思います。
さらに、NPO法人の方々やチームメンバーと議論を重ねていく過程こそが、おもしろいところなんじゃないでしょうか。やってよかったなと思うところも、そういうところです。

――議論を積み重ねて提案された内容は、どのようなものでしたか?
SPANの活動で特徴的なのは、視覚障害者の方に直接パソコンの講習をするだけではなく、インストラクター養成の技術をもっていらっしゃる点です。つまり、インストラクターを養成することで、視覚障害者のパソコン利用の輪を効果的に拡げていくことができるということです。今後は、ここにさらに力を入れていかれるとよいのではないかとご提案しました。
また、視覚障害者である北神さんが積極的にいろんな活動をされていることは、他のハンディキャップを持っている方を勇気づけるのではないでしょうか。SPANの活動を知る機会があれば、共感する人は多いはずです。より多くの方が知る機会を創るような取り組みにも力をいれていってほしいと思っています。

――プロボノに興味のある方へ、メッセージをお願いします
今の若い方にプロボノ活動の話をするとすごく興味を持ってもらえます。すごく関心が高いようですね。でも、私と同じような世代も、せっかく経験があることですし、どんどんやってほしい!と思います。チームメンバーともNPOさんとも、「一緒にやりましょう」というスタンスでやれば、どんな人でもできると思います!

【参加プロジェクト】

NPO法人 視覚障害者パソコンアシストネットワーク(SPAN)
(業務フロー設計サービスグラント)
役割:アカウントディレクター

 

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